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浜松餃子

浜松餃子

浜松餃子

餃子消費量日本一

静岡県浜松市。静岡西部にある人口80万人ほどの都市だ。東海道の要所にあって、城下町、宿場町として栄えてきた。浜松城に入城した家康を始めとする徳川家縁の地でもある。現在では世界にその名の知れ渡る日本の三大楽器メーカー、ヤマハ、河合楽器製作所、ローランドの本社があり、楽器の町としても知られている。そんな浜松にはもう一つの顔があるのをご存知だろうか。「餃子の町」としての顔だ。

全国的に餃子の町として有名なのは宇都宮だが、実は浜松は市内1世帯あたりの平均年間消費量が1万9400円で、日本一とされている宇都宮市の4710円を大きく上回っていることが判明、2007年2月に「餃子消費量日本一宣言」を行ったのである。元来、餃子消費量の調査は県庁所在地と政令指定都市が対象で、浜松市は指定外だったため調査にもれていたが、浜松市民の餃子消費量の少なくないことに注目した浜松市役所が餃子の消費量を独自調査した結果判明したものという。(宇都宮はこの調査結果に異議を唱えている。)餃子消費量の数字の多少、順位の上下はおいておいても、浜松で餃子が沢山消費されているのは間違いないのである。では浜松餃子とはどんなものなのだろうか。

浜松餃子とは

現在浜松市内におよそ80軒もあるという浜松餃子を出す専門店。居酒屋などでも浜松餃子を提供しているので、それらをあわせると浜松餃子を食べられるお店は実に300店以上になるという。これほどまでに市民に愛され、そして浜松を訪れる人々を虜にする「浜松餃子」のルーツは昭和二十年代に遡る。戦後、浜松駅周辺には屋台で食べ物を出す店が多く出ていたが、その中で餃子を出す屋台があった。その美味しさが次第に評判になり市民に広まっていったという。これが様々な形で伝えられ、今のような形になったのが「浜松餃子」といわれている。

浜松餃子

浜松餃子の特徴

浜松餃子の一番の特徴はなんといっても「茹でたもやし」がつけあわせとしてお皿に(もしく餃子の上に)添えられていること。この、「浜松餃子」に「茹でもやし」を付けるようになった理由としては色々言われているが、中でも信憑性が高いのが、かつての餃子の焼き方によるというもの。今のように専用の四角い餃子焼き器がない時代には、丸いフライパンで餃子を焼いていたが、フライパンの中にぐるっと円を描くようにして餃子を並べると、どうしても真ん中に隙間が出来てしまう。皿に盛ったときにそれでは見栄えが悪いので、茹でたもやしをサービスとして真ん中に添えたという訳だ。

浜松餃子の味

ではそれほどまでに多くの人々に愛される浜松餃子はどんな味がするのだろう。浜松駅に程近い店「らーめん るんるん」を訪れてみた。夕食の時間よりもだいぶ遅い時間に入店した事もあって店内は比較的空いていたが、普段は行列必至の店だという。浜松餃子ではここが一番、という地元の声。ラーメンも美味しいと評判の店だ。店内には地元静岡テレビの番組でラーメン部門で一位を獲得したと文言の書かれた紙も張ってある。これはラーメンも試してみない手はない。餃子とラーメンを注文する。餃子は両面焼きとのことで焼き上がりまでに時間がかかる旨を伝えられる。実直そうで寡黙なご主人だ。もくもくと調理を始めた。

しばらくするとまず先にお目当ての浜松餃子が出てきた。

浜松餃子

多少こげた部分があるものの、しっかりと焼かれた浜松餃子。芳ばしい香りを放っている。普段目にする餃子よりも皮の厚さも質感もたっぷりとした印象だ。表面がつやつやと光っている。餃子には当然の様に茹でもやしも添えられている。浜松餃子を一つ箸で取り上げ、小皿に入れておいたタレにちょんとつけて口の中へ。噛んだとたん肉汁が口の中へほとばしり出る。見た目にたがわず、豊満な食感。しかし、餃子作りにも焼き方にも丁寧な仕事が施されているのが伝わってくるような繊細な部分も兼ね備える。よく焼かれた外側はカリッと香ばしく、皮のすぐ内側はもっちもち。そして餡はあくまでジューシー。キャベツの甘みも効いている。絶妙なバランスだ。餡と皮とタレの、旨み、塩味、甘み、辛味、酸味などが絡まりあいながら渾然一体となって怒涛のごとく味蕾を刺激する。一個食べ終わるとすぐ二個目に箸がのびる。二個目が終わると三個目。そして四個目、五個目・・・。

途中でふと思い出してつけ合せの茹でもやしに手をのばす。この茹でもやし、その名の通り茹でただけ。味は特についていない。いや、薄い塩味がついているだろうか。しかし、これが実に浜松餃子にあうのだ。茹でただけのもやしが持つ柔らかな甘みがほっとする。餃子の合間にもやしを食べる事でさっぱりと口の中がリセットされ、また餃子が美味しく頂けるという寸法だ。さらに浜松餃子の肉系のがっしりした旨みと、もやしのほのかな甘みを伴う優しい味がうまいこと融合し、両者相まって一段上の美味しさを醸し出す。円形に並べた餃子の穴を埋めるためだけに添えたにしては、実に的確で優秀な添え物なのだ。

そして、この浜松餃子に欠かせないのが、やっぱり黄金色の泡の飲み物。なぜこれほどまでに油(脂)系料理とビールの相性はバッチリなのだろうか。

グビグビッ、「プハーっ」

満足感とはまさにこのこと。至福の瞬間だ。

この後、ほどなくしてラーメンが運ばれてきた。浜松を訪れたのは餃子が目的だったので、ラーメンはあくまでおまけ、それほど期待はしていなかったのだが、一口頂いてみて目を見張る。

浜松餃子

餃子が絶品だから、当然といえば当然なのか、少々意外にもラーメンも大変美味しいのだ。いや、「意外」にもというのは的外れか。丁寧な仕事をしている店の品が美味しいのは当たり前だ。餃子だけ食べてこの絶品ラーメンを逃す手はない。

編集部注:るんるんは、取材後に店主が変わり、メニューや値段、休み、味等は取材当時と変わっています。

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