日が沈み、少しだけ涼やかな風も吹いて、根津の町に夜がやってくる。 昭和の香りの残るこの町には、暖簾をくぐって入る居酒屋がよく似合う。
一人でもよし。仲間と一緒でもまたよし。
ひとかけらの憂いと、柔らかな切なさと、仄かな懐かしさと、細やかなほろ苦さを胸に抱えた大人たちが、 思い思いに、肴をつまみながら、一献傾ける。
鼻孔をくすぐる微かな香りは、過ぎた日の残光か。
たまには静かな夜もいい。
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