メガネをかけた建物
払沢の滝からの帰りがけに、面白い建物に出会った。四角く切った窓を目にみたて、メガネをかけている。鼻、口もある。色鮮やかな新緑の中、不思議な存在感で佇んでいる。
「遊び心、全開」みたいなこういう建物、嫌いじゃない。価値観は人それぞれ。センスも人それぞれ。右を見ても左を見ても、同じような建物ではつまらない。粗忽者の熊五郎もこれなら間違えまい。
この建物、その中身はというと、1階がギャラリーと喫茶になっていて、2階が陶芸教室。照明を抑えたいい感じの雰囲気の中、パスタやカレー、お汁粉、ところてん、ケーキなどが頂ける。
半日歩き通しだったのもあって、休憩がてら中に入り、お汁粉とところ天を注文。ほどなく、いい感じの器にいれられ、注文の品が運ばれてきた。器は、ここの陶芸家の主が焼いたものとか。
お店の雰囲気だけではなく、お汁粉を頂いてみると味もいい。お店の人の感じもとてもいい。
心地よい風が時折通り過ぎて、なんかこう、すべてがいい感じなのだ。
その上、お値段もとってもリーズナブルときている。観光地や避暑地にありがちな、「普通の量、普通の味なのに、値段だけ倍」みたいなのとは正反対なのだ。
ビル群を抜け出して大自然の中で時間を過ごし、ただでさえいい感じの心持ちでいるところに、小さな幸せ、喜びがあちらこちらにちりばめられている。いい具合の「幸福感」に包まれる。つくづく、「こういう」仕事をしたいなと思う。「人が喜ぶ」「人に喜んでもらう」っていい。
「いい」時間を過ごし、足の疲れも取れ、素敵な気分でお店を後にした。
そうそう、軒先で売っている割り箸に刺したコンニャクもおすすめだ。