鞆の浦 歴史と自然が融合する絶景の港町
公開日: 2012年8月22日 | 最終更新日 2023年5月25日
千年の歴史を誇る「潮待ちの港」 風光明媚な景観が融合する町並み
福山駅から車で約30分、尾道駅からだと車で45分ほどの場所に位置する広島県福山市の「鞆の浦」は、江戸時代の頃の雰囲気をそこかしこに今も残す歴史的な港町。瀬戸内海に面し、大阪と九州のちょうど中ほどにある「鞆の浦」は、その美しい景観、伝統的な建築物の残る町並み、点在する神社仏閣や史跡で知られています。(中心地区は国の重要伝統的建造物保存地区にも指定されています。)
鞆の浦は、かつて「潮待ちの港」として知られていました。周辺の海域が潮の流れがぶつかる所であり、海上を行く船に今のようなエンジンがなく、また航海技術もまだそれほど発達していなかった時代、船乗りたちはここで潮の流れが変わるのを待ったのだといいます。時には、潮の流れを待つために滞在する時間が長くなることもあり、必然的に店や宿は賑わって、さらに人が多く集まるようになり、町は繁栄しました。
町の歴史は飛鳥時代、奈良時代にまで遡るともいわれ、万葉集を編纂したことでも知られる大伴家持の父で歌人の大伴旅人が九州・太宰府からの帰りにここ「鞆の浦」に立ち寄り詠んだ歌が、「万葉集」に選出された旅人の78首の歌の一つになっています。
商家や寺院を含む、比較的保存状態の良い伝統的な建築物群が立ち並ぶ「鞆の浦」は、細い路地裏を散歩しているだけでも、楽しい町です。特に町の歴史地区は、往時の雰囲気に満ちていて、昔の建築様式や伝統的な生活の一端を垣間見ることができるのです。
路地から見る海、沿岸部から見る海、高台に建つお寺から見下ろす海と町並み、いずれもとても印象的で美しい風景。情緒と風情に満ちています。
その美しさと風情は、尾道同様多くの作家や映画人などにも愛され、宮崎駿監督のジブリ作品「崖の上のポニョ」の舞台の参考になったことでも有名です。(宮崎さんは鞆の浦に一軒家を借りてそこで二か月ほど暮らして映画の構想を練ったと伝えられています。)
古代から重要な港として栄え、室町幕府の最後の将軍・第15代足利義昭が信長に幕府を追われて各地を転々とした後、ここ鞆の浦に拠点を移したり、坂本龍馬関連の「いろは丸事件」が起きたりと、様々な歴史の舞台にもなってきた鞆の浦。
歴史と伝統を感じる美しさと、自然の景観美が融合しているその絶景を堪能しに、是非一度足を運んでみてくださいね。
広島市や尾道市、福山市から、アクセスも比較的容易で、ショート・トリップとしても勿論、近隣にある宿に泊まってゆっくりするのもおススメです。
魅力溢れる鞆の浦の風景
826年(天長3年)、弘法大師・空海によって開かれたと伝えられる医王寺。鞆の浦大師とも呼ばれ親しまれています。境内から眺める鞆の浦と港の景色は絶景。
関連リンク 鞆の浦の観光情報
- 鞆の浦 – 日本でもっとも癒される港町(外部サイト)
関連リンク 鞆の浦の宿泊情報
- 鞆の浦 汀邸 遠音近音(外部サイト)
- ホテル鴎風亭(外部サイト)
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鞆の浦(とものうら) DATA
- 場所: 広島県福山市鞆地区
- 交通(公共交通機関で): JR山陽新幹線および山陽本線・福塩線 福山駅南口から鞆鉄バス(11番のりば)「鞆港」行きで約30分、「鞆の浦」下車。
- 交通(車で): 山陽自動車道福山東ICから約45分。福山東ICから国道182号線を南(国道2号線方面)へ約15分~国道2号線を過ぎて、さらに鞆の浦方面へ道なりに直進、約30分。
- 駐車場: コインパーキング数か所あり
- 期間: 通年
- 問い合わせ: 福山市観光コンベンション協会 〒720-8501 広島県福山市東桜町3番5号 福山市役所7階 TEL:(084)926-2649/FAX:(084)926-0664
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