雨上がりの神社
雨上がりの神社の美しさ。しっとりと濡れた木々と参道。立ち上る清浄な空気。辺りを包む細かな水の粒たちが、肌や髪の毛のみならず、肺の中にまで入り込んで、体のすみずみまで潤いを与えてくれるような感覚。
自然界の万物に神性を見出す日本の神道において、森を育み、生きとし生けるものの命を保つ上で欠かすことのできない「水」は特に重要なもの。神社を訪れる際に手を洗い口を漱いで清めるのも水。境内を清めるために撒くのも水だ。そう考えると、雨上がりの神社が、ことさら清らかで美しく見えるのも、ごく「自然」のことだろう。
神社にある井戸の水は、通常の井戸の水に比べて特に清らかなものが多い、なんていう話もある。清らかな場所だからこそ、神社がそこにできたのか、神社があるからこそ、より清らかになるのか。またはその両方なのかもしれないが、「パワー」とか「癒し」とか、そういうキーワードは別としても、撮影などで年間100社以上の神社を訪れると、感覚的に、やはり神社の境内には特別清らかな「何か」がある気がするのだ。特に雨上がりの神社でそう感じることが多い気がする。それが湿度とか、酸素の量とか、科学的に見たときに数値に現れるものの違いによるのか、それとも「何か」特別なものなのか、ただそんな気がするだけなのかどうかはわからないが、いずれにしても乾いている時よりも、雨上がりの潤った神社の境内や社に特別な「美しさ」を感じる方も多いのではないだろうか。
そんなわけで今日は、各地で出会った雨上がりの神社と境内の風景をお届けしよう。
JWMセレクション「雨上がりの神社の風景」。