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沖縄の食べ物 | 沖縄の郷土料理 | 沖縄料理

宝石のような琉球グラスに入った泡盛「暖流」。きりっとした透明な旨さを秘める。

美しい食べもの・南国の味 日本のグルメ「沖縄編」

二センチ角の赤い食べ物?海の宝石?炒めた素麺?ヤギの刺身?長くて暑い夏を乗り切るための、スタミナのつく料理。がっつり食べて、がっつり飲んで、汗をかいて、そして身体は元気になる。弾けるような食感や、とろけるような感触や、独特の香りや苦味や甘みや爽やかさ。ときおり抜けてゆく心地よい風を感じながら、舌鼓を打つ。寒い国には寒い国ならではの食べ物があるように、南国には南国ならではの食べ物がある。日本の食べ物シリーズ沖縄編。多くの島と美しい海と雄大な自然を抱える沖縄県のグルメをお届けしよう。

「海ぶどう」

海ぶどう

「海ぶどう」

海ぶどうの名で知られる美しい海藻。正式名称を「クビレズタ」といい、グリーンキャビアなどとも呼ばれる南西諸島特産の海の宝石だ。光の下にかざすと、緑がかった透き通る粒の奥に南の海の細波が映る。口の中に入れるとぷちぷちと弾け、その独特の食感が後を引く。三杯酢にちょんちょんと浸しながら、口に運んでいくと幾らでも食べれてしまうのだ。

「ゴーヤーチャンプルー」

ゴーヤーチャンプルー

「ゴーヤーチャンプルー」

独特の苦味が沖縄の暑さにぴったりな「ゴーヤー」。九州地方では、「ニガゴイ」「ニガゴリ」などと呼ばれ同じく食用にされるブツブツの表面を持った印象的なこの瓜科の実を豆腐や卵などと炒めた沖縄料理が、「ゴーヤーチャンプルー」だ。「チャンプルー」というのは沖縄の言葉で「混ぜたもの」「混ぜこぜにしたもの」というような意味。まさに「ちゃんぽん」と同義だ。察するに語源が同じなのだろう。苦味を持つゴーヤが暑さの中でも食欲を増進させ、ビタミンやタンパク質を含みスタミナのつきそうな野菜や肉、卵、そして豆腐などが「チャンプルー」になったこの料理、まさに栄養たっぷり夏でも元気が出る沖縄のソウルフードなのだ。

「ソーミンチャンプルー」

ソーミンチャンプルー

「ソーミンチャンプルー」

「ソーミン」とは「素麺」のこと。この中国から渡ってきた細い麺、日本の他の地域ではもっぱら、冷たいツユかニュウメンと呼ばれる温かいツユに入った状態で食べるが、ここ沖縄では、「ソーミンチャンプルー」として炒めて食べる。これが滅法うまいのだ。見た目ほどは脂っぽくはなく、薬味とあわさってつるつるさっぱりと食べれてしまう。ゴーヤーの苦味こそ無いが、炒め物の脂質の美味しさと、麺類の食べやすさ、そして塩分が、汗をかいた身体にぴったりとくる。

「タコライス」

タコライス

「タコライス」

メキシコ料理であるタコスの具をご飯の上に乗せて「タコライス」と命名したという、なんとも冗談のようなネーミングのこの一品。その名に反して、味はとても「イケる」沖縄生まれの食べ物だ。生まれは新しく、1980年代に入ってからの事。今では沖縄のみならず全国でも食べられるこのニューフードは、沖縄県金武町の米軍基地キャンプハンセンの前にある「パーラー千里」で産声をあげた。タコスの具とご飯、それにサルサがなんとも微妙なバランスで融合した新鮮な感覚の食べ物だ。

「沖縄そば」

沖縄そば

「沖縄そば」

沖縄で「そば」といえばこれ。カツオと昆布と豚のダシが絶妙にマッチした素晴らしいスープに、小麦粉100%の麺。その上に泡盛とダシ、醤油、黒糖で煮込んだ肉が乗り(肉の種類によって「ソーキ(軟骨)そば」、「ラフティーそば」、「てびち(豚足)そば」、「中味(ヤギや豚のモツ)そば」などと名が変わる。)、そして仕上げに、唇にひいた一指しの紅のようにちょこんと「紅生姜」が乗る。さっぱりとしていながら旨みの深いスープと、本式にはガジュマルの炭から造った灰汁を入れて製麺するという独特の麺が絡み合い、なんとも言えぬ旨みの世界を作り出す。ふーちばー(よもぎ)そば、アーサ(あおさ・海藻)そば、野菜そば、ゆし豆腐そばとバリエーションがあって、それぞれにそれぞれの美味しさがあり、こだわりのファンがいる。

沖縄そばをもっと詳しく見る。

「豆腐よう」

豆腐よう

「豆腐よう」

爪楊枝を使って、爪の先ほどの大きさを切り取り、口の中に持っていく。ねっとりとした食感。発酵食品独特の香り。そして口の中に次第に広がってゆく、「豆腐よう」の世界。悶えそうになるほどの深い旨みと、「時」がぎっしりと詰まった刺激と、そしてほんの少しの憂いを含んだ味が、口腔内を支配する。「唸る」とは、こんな時のためにする動作だ。本当に美味しいものを食べた時には言葉を発することも出来ない、まさにそれを実感する瞬間でもある。それは熱病のように身体を支配し、心を蕩けさせる。沖縄の酒飲みには欠かせない肴、沖縄が誇る伝統的発酵食品「豆腐よう」の世界にようこそ。

「スクガラス豆腐」

スクガラス豆腐

「スクガラス豆腐」

食べるとは、時に罪悪感との戦いでもある。青白い感傷的な罪悪感は遠くどこかにやっているつもりでも、時々ふとした瞬間にそれに襲われる時がある。まあ、いい。生きとし生けるもの、互いに命を奪い合い、それを糧に生きている。対象が動物であれ、植物であれ、昆虫であれ、キノコであれ、生きていることには変わらない。それら他者の命を喰らって生きるのが生命体の業ならばせめて、きちんと感謝して食さねばならぬ。なんてそんな殊勝な心構えが常にあるわけでもない。心の底に小さくそんな想いがあったとしても日常的には忘れてしまう。うむ・・・。しかし、そんな時に、対象物と目が合うというのはやはり何か響く。目は口ほどにモノを言うという。西洋人が、鯛やマグロの兜煮を嫌がるというのも、そこに「目」があるからだという。なんとなくそれもわかる気がする。そんな事を言っていても、やはり口の中に運んだ瞬間に、ふわっと広がる塩辛さと海の香りと苦味と酸味と、そして島豆腐の少し硬い食感が口の中でない交ぜになって、そして幸せを連れてくる。くいっとあおる泡盛でそれはさらに確かなものとなる・・・。スクガラス・・・エーグァー(アイゴ)の稚魚の塩漬け。満月の日に孵化した稚魚を餌を食べ始める前に捕獲して塩漬けにしたものだ。生じっか、仏心を抱いて、目が合わないように尻尾の方から食べると喉にひっかかるので要注意!

「ウンチェーバーチャンプル」

ウンチェーバーチャンプル

「ウンチェーバーチャンプル」

ウンチェーバーというのは空芯菜の沖縄名。沖縄のてぃーだ(太陽)をさんさんと浴びて育ったシャキシャキの空芯菜を豚肉やマーミナー(もやし)などと炒めた「ウンチェーバーチャンプル」。つやつやとした見た目と芳ばしい香りが食欲をそそる。一口食べて、はふはふと。そしてぐいっとオリオンの生。これは口福。まさに幸福。人生の幸せなひと時なのです。

「ヒージャ刺」

ヒージャ刺

「ヒージャ刺」

ヒージャというのは沖縄の言葉で、山羊(ヤギ)を意味する。ヒゲがあるもの、という意味だ。日本にいる山羊のおよそ三分の一が住んでいるといわれる沖縄では、山羊は正月や結婚式など、特別な時に食される大切な食材でもある。一頭を屠り、汁やこの刺身などにして食べるのである。滋養強壮の食材としても名高く、薬としても珍重されている。高血圧の人は食べてはいけないといわれるほどに、血行をよくするのだ。独特の臭みは一度はまったら病み付きになる。皮に近いほうがより香り(臭み)が強いのだが、それはじわじわとクセになる味なのだ。

「島らっきょう」

島らっきょう

「島らっきょう」

沖縄で作られるらっきょうを島らっきょうという。天ぷらにしたり、炒め物にしたりしても食べるのだが、なんといっても一番ポピュラーな食べ方が、塩でもんで生で食す食べ方。鰹節がとてもよくあう。それに醤油をちょいとたらして、細い方を持って口に入れると、葱やエシャロットのような辛味と香りが広がって、全てが島らっきょう色に染まる。辛味の中に旨みがあり、旨みと共に強烈な香りがある。それが好きな人にはどうにも堪らないのである。

「てびちぃおでん」

てびちぃおでん

「てびちぃおでん」

「てびちぃ」とはコラーゲンたっぷり、ぷるぷるむにむにの豚足の事。これをソバのスープと同じ昆布、鰹節と豚のスープで煮込んだのが、「てびちぃおでん」。さっぱりとしたダシと、骨までしゃぶってしまうような豚足の旨みのハーモニーがなんともいえない。ちょんちょんと辛子をつけて、ほろほろの豚足を頬張る。翌朝はお肌つるつる間違いなしの食べ物なのだ。

    

「パパヤーサラダ」

パパヤーサラダ

「パパヤーサラダ」

南国沖縄ではパパイヤは比較的普通に食される「野菜」の一つ。そう、果物としてではなく、「野菜」としてなのだ。勿論熟したものを果物としても食べるのだが、まだ熟していない青いうちの実を細切りにして、まるで野菜のように、サラダや炒め物として食べるのである。エスニック料理がすきな方ならご存知であろう、タイやベトナムなどの食べ方と一緒である。切った後、水にさらしてサラダなど、生のシャキシャキとした歯ごたえを愉しんだり、炒めて、大根や冬瓜のようなしっとりさっぱりとした味と食感を愉しんだりする。主張し過ぎず、引っ込みすぎず、他を引き立てつつも、自身も味わいを振りまく、中々優れものなパパヤー(沖縄ではパパイヤをこう呼ぶ。)なのだ。

Japan Web Magazine 編集部

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