香取神社の三連狛犬
公開日: 2015年9月5日 | 最終更新日 2015年9月5日
「黒い三連星」を髣髴とさせる三連の狛犬。千葉県我孫子市の我孫子駅から歩いて7分ほどの場所にある香取神社の入り口で出会った狛犬たちだ。
香取神社は、千葉県香取市に鎮座する香取神宮を総本社とする神社で、主祭神として経津主神を祀っており、関東地方を中心に約400社ほどを数える。我孫子周辺にも十数社ほどの「香取神社」があり、それぞれ地域の人々の崇敬を受けている。
こちらの香取神社は、我孫子市の緑地区にあることから緑香取神社とも呼ばれている神社で、享保年間(1716年~1735年)に創建されたといわれる神社だ。すぐそばに水戸街道の我孫子宿があったことから、我孫子宿の鎮守として周辺地域の人々や街道を通る旅人たちの崇敬を受けてきた。当初、我孫子村には7社の鎮守があったというが、1827年(文政10年)に起きた我孫子宿の大火事で社殿が類焼した際、近隣の社を合祀し、1838年(天保9年)頃にはこの香取神社が村の総鎮守となったとの記録がある。さらには、1907年(明治40年)に、三宝荒神、稲荷神社など13社を合祀、現在の様な香取神社となったのだという。
鳥居の脇、拝殿の前、という具合に境内に、幾対かの狛犬がいることはそれほど珍しくないが、同じ箇所に三体並んでいる狛犬はあまり見かけない珍しいもの。その理由は定かではないが、幾つもの神社が合祀されたという経緯ゆえなのだろうか。ちなみに、階段を挟んだ向かい側に、口を閉じた狛犬が三体並んでいるのはいうまでもない。