長野の郷土料理
公開日: 2019年2月4日 | 最終更新日 2022年10月30日
信州・長野の食べ物
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長野の食べ物
長野の郷土料理 / 長野グルメ
蕎麦好きにのみならず、全国的にその名を広く知られる「信州そば」をはじめ、「おやき」「野沢菜」など、知名度の高い郷土料理、郷土グルメが顔を揃える長野県。海こそないものの、美しい空気と水、広大な面積を誇る県土、3000メートル級の山々が立ち並ぶ起伏のとんだ土地、比較的冷涼な気候から生み出される質の高い農作物の数々、山の恵み、森の恵み、川の恵みから昆虫に至るまで、様々な食材を使った先人の知恵と工夫の詰まった、食通も唸る極上グルメが目白押し。そんな長野の郷土料理・郷土グルメ・食べ物の数々を覗いてみよう。
信州そば
信州と聞けば、そばと答える人もいるほどによく知られた信州・長野のそば。全体的に標高が高く、寒冷地で火山灰土の多い長野は、米作りに適さない土地が多く、代わりにそば栽培が盛んに行われ、そば食の文化が発展してきた。
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おやき
長野を代表する郷土の味がこのおやきだ。小麦粉やそば粉で作った皮に、信州名物の野沢菜や茄子、かぼちゃ、きのこ、切干大根、くるみ、小豆など様々な具材の餡が包まれる。
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はりこしまんじゅう
佐久や小諸エリアで食べられているそば粉を原料とする焼き餅の一種。そば粉をぬるま湯でこね、ショウガやネギ、味噌などを入れて、合わせてつくる。島崎藤村も【千曲川のスケッチ/その六 山村の一夜】で、このはりこしまんじゅうに触れている。
野沢菜漬け
全国的にその名を知られる野沢菜漬けは、信州を代表するお漬物。しゃきしゃきっとした歯ごたえと乳酸発酵の柔らかであっさりとした味わい、ほどよい塩加減と漬かり具合で、ご飯やお酒にとてもあうお漬物だ。夏の終わりごろ種をまき、すくすくと育った野沢菜は背丈が1メートルほどにもなる。野沢温泉周辺では11月初旬から中旬にかけて収穫され、共同浴場(野沢温泉)で洗われた後(お菜洗い)、塩漬けにされる。12月の中旬ともなると、本漬けと呼ばれる熟成された美しいべっこう色をした野沢菜漬けを味わえる。
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野沢菜の天ぷら
野沢菜漬は、地元では天ぷらの素材としても使われる。ほのかな酸味のお漬物が、天ぷらの衣をまとうことで、また一味違った味わいに。野沢菜のしゃっきりとした旨みに、天ぷらの「からっ」「さくっ」とした食感が加わって、ビールがさらに進む一品へと変身するのだ。
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馬刺し
青森県、山形県、福島県、山梨県、岡山県、熊本県などと共に馬肉食の歴史のある長野。特に熊本と並び長野は馬肉の消費量の多い地として知られている。馬肉は、栄養価が非常に高く、牛や豚に比べてタンパク質は約2倍も含まれている。一方で、カロリーは豚肉の2分の1、牛肉の3分の1、脂質も牛肉や豚肉の約8分の1と、とてもヘルシーで健康に良いといわれる食べ物。 2013年には長野は沖縄を抜いて長寿日本一になったが、この理由に馬肉食があるともいわれているのだ。刺身のほか、すき焼きなどでもよく食べられ、地域によっては、すき焼きの肉といえば、牛肉ではなく馬肉をさす地域もあるとか。
専門店のほか、郷土料理屋や居酒屋などで。
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おたぐり
おたぐりは馬のモツを煮込んだ料理。長野の伝統的な郷土料理の一つだ。草食動物である馬のモツは20メートルから30メートルと長く、下処理をする際に「たぐる」ように洗うのがその名の由来という。独特のクセがあり好き嫌いは分かれるが、ハマるとやみつきにある味。味噌味が多いが、醤油味や塩味など、地域や家庭、店によって様々な味付けがある。飯田市や伊那市の居酒屋などで食べられる。
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やたら
北信の一部地域(飯綱町)を中心に食べられているのがこの「やたら」。「やたらとなんでもいれるから」「やたらに刻むから」「やたらに美味しいから」等の理由で、この名がついたとか。別名・「野菜のふりかけ」ともいわれる、野菜たっぷりの郷土料理だ。料理といっても、きゅうりやなすなどの夏野菜と味噌漬けなどの漬物、青唐辛子、しそ、みょうが、ショウガなどを細かく刻んで醤油で味付けしてあえるだけ。これがめっぽう旨いのだ。夏野菜のフレッシュな味わいと香味野菜の爽やかさが入り混じって食欲増進。暑い夏でもご飯が進む。
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鮎の刺身
ソースカツ丼
あつあつのご飯の上にのった千切りのキャベツ。そしてその上に乗せられている、斜めに切られた揚げたてのカツ。その身にはソースの滲みた衣をまとっている。それらをがっつりと箸に取り一口でほおばる。はぐっと噛み締めた瞬間、口の中に広がるのは、「ソースの甘みとキャベツのシャッキリ感と肉の旨みとジュワーととろける脂」のたたみかけるようなハーモニー。
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伊那ローメン
「ローメン」と聞くと少し不思議なサウンドだが、字で書くとよく判る。「ローメン」=「肉麺」だ。中国語に堪能でない方でも、「青椒肉絲(ちんじゃおろーすー)」「回鍋肉(ほいこうろう)」などと聞くと馴染みがあるだろう。「肉」=「ロー」だ。「ローメン」は元々「炒肉麺(チャーローメン)」とも呼ばれていて、文字通り肉を野菜などと炒めて作る麺。現在「ローメン」には汁タイプと焼きそばタイプの二種類がある。
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すんきそば
中山道の通る木曽地方に古くから伝わる漬物が「すんき漬」。地元では「スンキ菜」とも呼ばれるカブ菜(赤カブ)の葉を塩を使わずに乳酸発酵させたお漬物で、乳酸発酵ならではの柔らかくて深みのある酸味としゃきしゃきっとした食感が特徴の漬物だ。そんな「すんき漬け」を温かいそばの上に乗せたものが、すんきそば。そばつゆの出汁の美味さと、そばの旨味、すんき漬けの酸味と旨味が絶妙に絡み合った、木曽の冬の美味なる味わいだ。
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馬か丼
お煮かけそば
信州サーモン
イワナ
蜂の子(はちのこ)
蜂の子は「蜂の幼虫(主にクロスズメバチなどの幼虫)」を調理したもの。醤油と酒、みりんなどで佃煮や甘露煮にするほか、炒ったり、蒸し焼き、炊き込みご飯などにして食べる。海産物の手に入りにくかった地域で、貴重なタンパク源として昔から食べられてきた郷土食だ。長野以外では、岐阜、静岡、山梨、栃木、宮崎などでも食べられている。
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イナゴ
群馬、栃木、山形の山間部など、海がない(または海から遠い)地域で伝統的に食べられてきた「いなご」は、特に長野の郷土食として知られる食材の一つ。蜂の子と同様、貴重なタンパク源でもあったもので、蜂の子よりも捕獲しやすいこともあって、かつては広く食べられていたようだ。田畑に農薬を用いるようになって数が減ったことに加え、食の西洋化、多様化で嗜好が変化し、特に若い人を中心に食べられなくなってきている食べものの一つだが、年配の人を中心に根強いファンもまだまだいるとか。主に佃煮にして食べるのが一般的だが、炒って塩を振って食べる地域もあるという。
栗おこわ
カツラーメン
寒天うどん
マツタケの土瓶蒸し
むかごの味噌和え
長野の菓子
長野の郷土菓子 長野のスイーツ
五平餅
五平餅は、多少つぶが残る程度に潰したご飯を小判型や丸型、わらじ型などに整形して串に刺して囲炉裏などで焼き、胡桃やゴマ、山椒の葉(木の芽)、柚子などの入った味噌をつけて食べる料理。信州の南部で古くから食べられてきた郷土料理だ。長野以外でも岐阜や富山、静岡、愛知などでも見かける郷土のおやつ。
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やま柿
厳選した柿を一つ一つ丁寧に皮をむき、天日に干して乾燥させ、種とヘタを取り除いて作り上げる菓子。保存料・着色料・香料を一切使用しない。素朴ながらも自然な柿の甘みを感じられる。
赤飯まんじゅう
長野県の飯田市や伊那市などで、慶事の際などに食べられてきたのがこの赤飯まんじゅう。見ての通り、饅頭の中に赤飯が包まれたもので、紅白の生地が見た目にもめでたい郷土菓子だ。
落雁
「落雁」は、米などの粉を原料に水飴などを加えて作られる和菓子。いわゆる打ち菓子(打ちもの菓子)とよばれる和菓子で、米や麦で作られたものが多いが、長野県小布施町や飯田市の落雁(楽雁)は赤えんどう豆の粉に栗の蜜や粉糖を加えて作られるのが特徴。上品な甘さとほろほろ、スーッと口の中で溶けてゆく、得も言われぬ食感と美味しさが際立つ。栗の名産地として知られる小布施では、栗を用いて作られるしっとりとした「栗落雁」も忘れずに試したい。