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西本願寺

西本願寺

浄土真宗本願寺派の本山

「お西さん」として親しまれる西本願寺は、京都府京都市下京区にある寺院。浄土真宗本願寺派の本山であり、山号は龍谷山(りゅうこくざん)。御本尊として阿弥陀如来を祀っている。
正式名称は「龍谷山 本願寺」というが、同じく下京区の烏丸七条にある浄土真宗大谷派の本山「真宗本廟(通称・東本願寺)」と区別する事もあり、一般には「西本願寺」として知られている。

本願寺の創建

本願寺の歴史

鎌倉時代中期に親鸞聖人によって開かれ、広く民衆に信仰された浄土真宗。
1263年(弘長2年)11月に逝去したその親鸞聖人の廟堂として、1272年(文永9年)に京都東山の鳥辺野の北西、吉水の北にある地に創建されたのが本願寺の始まりだ。
関東の門弟の協力の下、六角の廟堂が建立され、親鸞聖人の影像を安置、遺骨が移された。これは大谷廟堂と呼ばれた。本願寺の名前が公に使われるようになったのは、1321年(元亨元年)頃といわれる。

室町時代の中頃、蓮如上人の時代に、浄土真宗は近江を始めとする近畿地方、東海地方、北陸地方などにその教えが急速に広まり隆盛をみるが、同時にそれは比叡山延暦寺による迫害を招く事となった。1465年(寛正6年)、比叡山衆徒による本願寺の破却の後、蓮如上人は近江に移り、さらに越前吉崎(今の福井県)へと赴く。

上人の説いた平等の教えは、古い支配体制からの変革を望む声となり、ついには武装した門徒たちによる一揆が勃発。上人は争いを鎮めようと1475年(文明7年)に吉崎から河内(大阪)へと移り、さらに1478年(文明10年)に京都山科への移動後、本願寺の造営を開始、1480年(文明12年)に御影堂の再建、諸堂宇の整備がなされた。1499年(明応8年)の上人往生後も、山科本願寺は発展をみるが、1532年(天文元年)に六角定頼や日蓮衆徒による焼き打ちにあい、大阪石山御坊に寺基が移された。御影堂と阿弥陀堂、寺内町の整備がされ、さらなる発展をみるが今度は織田信長との争いがおきる。

本願寺側は同じく織田信長と敵対していた紀州の雑賀衆らと共に、11年の長きに渡り戦い抜くが、1580年(天正8年)、織田信長と和睦を結んだ。
大阪石山から紀伊鷺森、和泉貝塚、と近畿各地への移転を経た後、豊臣秀吉により寺地の寄進を受け、大阪天満、そして現在の堀川七条の地に移ってきたのが、1591年(天正19年)の事だ。

西本願寺と東本願寺

1602年に、豊臣秀吉に隠居させられていた教如上人(本願寺第十一世宗主顕如の長男)に、徳川家康が烏丸七条の地に寺地を寄進したことにより、大谷派本願寺が興り、本願寺は現在のような西と東に分派することになる。これは、顕如上人の三男で本願寺第十二世宗主准如上人が関ヶ原の戦いで石田三成側の西軍についたためともいわれ、一説には当時強大な勢力を誇っていた本願寺の力を分散させる狙いがあったともいわれる。(先の大阪本願寺の退去に際し、信長と講和をした顕如上人の退去派と、信長との徹底抗戦を唱えた教如上人の籠城派との確執の結果ともいわれる。教如上人の隠居も、准如上人にあてた譲状があったからとも。)

西と東に分派したものの、本願寺はその後の大地震や失火による堂宇の倒壊や焼失を乗り越え、現在までの400年以上に渡り、その偉容を保ち続けている。






阿弥陀堂(重要文化財)

   

御影堂(ごえいどう)

1636年(寛永13年)に再建された御影堂。御影堂とは、親鸞上人像が安置されているお堂で、宗祖親鸞の廟堂として建てられた本願寺では本堂(阿弥陀堂)よりも大きく造られているのが特徴。
1800年(寛政12年)の「寛政の大修復」及び、1999年から2008年にかけて行われた「平成大修復」と二回の大修復を経ている。

御影堂(重要文化財)

新撰組と西本願寺

西本願寺は、幕末にその存在感を世間に轟かせた新撰組の本拠地であった。不動堂村に屯所を移すまでの約2年間、ここ本願寺に滞在し、軍事訓練をしたり、作戦を練ったりしていたという。境内で豚を飼っていた、なんていうエピソードもある。西本願寺から徒歩10分ほどの場所に新撰組記念館がある。

国宝と重要文化財

国宝として、唐門、書院、黒書院、北能舞台、飛雲閣、他が、
国の重要文化財として御影堂、阿弥陀堂、鐘楼、絹本著色聖徳太子像、他多数が指定されている。
また、桃山時代の建造物や庭園が数多く残されている境内は国の史跡に、本願寺書院庭園
として国の特別名勝に指定されている。

世界遺産

1994年(平成6年)には、上賀茂神社、下鴨神社、教王護国寺(東寺)、清水寺、延暦寺、醍醐寺などと共に、「古都京都の文化財」として、世界遺産に登録された。

西本願寺拝観

京都の有名寺院としては珍しく、西本願寺は無料で参拝することが出来る。御影堂、阿弥陀堂のほか、唐門も間近で観覧可。(書院及び飛雲閣は前日迄に要予約。拝観料は志納。)
拝観時間は5月から8月の間は5:30から18:00。3・4・9・10月は5:30~17:30、11~2月5:30~17:00。

西本願寺へのアクセス

バスで

京都駅前から市バス(9・28・75系統)で西本願寺前バス停下車。

阪急電車で

河原町駅から市バス「四条河原町」バス停より207系統で、「島原口」バス停下車。
大宮駅から 市バス「四条大宮」バス停より18・71・206・207系統で「島原口」下車。

京阪電車

七条駅から 市バス「七条京阪前」バス停より206・208系統で「七条堀川」下車。

車で

京都駅から約数分。阪急大宮駅、京阪七条駅から約10分。

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Japan Web Magazine 編集部

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