地球上にはおよそ130万種類もの動物と30万種類以上もの植物が暮らしている。そのうち日本に生息する動物はおよそ5万種類、植物はおよそ6000種類。私達人間はその中の一種にしか過ぎない。
日本はかつて自然の豊かな国だった。京や大阪、江戸などの人口集中部を除き、緑がそこかしこにあふれ、狸や鹿やウサギやリスや熊やイタチや狐などの動物達が、トンボや蝶やゲンゴロウなどの昆虫達が、のびのびと暮らしていた。人間達も自然の中で呼吸をし、作物を育て、他者の命をあちらこちらに感じて暮らしていた。自然を敬い、自然の中に人智を超えた存在を見出し、尊び、感謝し、守ってきた。それがいつの頃からか、緑が減りはじめ、野山は削られ、コンクリートで固められ、ダムが建設され、小川も護岸工事がなされ、水辺が埋め立てられ、「自然」が減りはじめた。最初は徐々に。次第に加速度的に。「ヒト」が、動物達の縄張りに侵入し、破壊していった結果、彼らは行き場を失い、里に下りて来るほかなくなり、「害獣」などと呼ばれるようになってしまった。共棲していたはずの「ヒト」と「自然」はいつしか敵対するような間柄にさえなってしまったのだ。
それでも全く自然が消えてしまったというわけではない。都市部から離れ、野山が広がる場所や海辺に行くと、昔ほどではないとはいえ、まだまだ自然が残っている。そしてそこには動物達が暮らし、植物達が生い茂っている。例えば、コンクリートジャングルといわれる東京も西部に行くと山々が連なり、山野草が咲き、山道を歩いていると鹿の声を耳にすることも珍しくは無い。夜には狸も出るし、ウサギも出る。
秋川渓谷・東京
ヒトが自然から切り離されてしまうことほど悲しいことは無い。自然と断絶してしまうことほど心が痛むことはない。花を愛で、草木の緑で和み、鳥達の声に耳を傾け、昆虫達の動きに目を見張り、動物達の存在に色々な意味で胸ときめかせ、また畏怖を感じる。それこそが自然の一部である「ヒト」本来のあり方なのではないだろうか。勿論自然が全くの手付かずの状態であるにこしたことはないが、「ヒト」が人でいる限り、文明的な生活を営もうとする限り、極端に過去に戻ってしまう必要も無いし、今更戻れるものでもないだろう。けれども、動物達にも植物達にもそして勿論我々人間達にも幸せな在り方は、きっとある筈だ。エゴではなく傲慢でもなく、謙虚さや理性や賢さでその道を模索出来るのは、自然を破壊してしまうだけの「科学力」と「智慧」と「知識」を持った我々人間なのかもしれない。いや、むしろ無限永遠無尽蔵だと勝手に思い込み、好き放題やってきた人間にこそ、その責任があるのではないだろうか。もしかすると今が最後のチャンスなのかもしれない。原因があるから結果がある。人間達によって、地球規模で自然の破壊が行われ、それが温暖化や異常気象という形で、そのまま人間に還ってきているこの現況で、今こそ合理主義、利益優先主義から脱却し、「私達も自然の中の一員である」ということを再認識し、物質的のみではなく、精神的にも豊かに暮らすために、何かをすべき時なのではないのだろうか。まさに「破壊と再生」「滅亡と繁栄」、その分岐点に私達は居るのではないだろうか。
(絶滅種・絶滅危惧種を含む)
日本にはおよそ2500種類以上の動物がいるといわれている。そのうち哺乳類は100種類以上。中にはニホンオオカミやカワウソなど絶滅してしまった、もしくは絶滅の危機にある種も多数含まれる。
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(絶滅種・絶滅危惧種を含む)
日本にはおよそ550種類以上の鳥類がいるといわれているが、「飛ぶ」という性質上、繁殖地と生息地が違う場合も多々あり、その他の動物と比較して、厳密な「日本固有」という定義は学術的にも難しいという。絶滅の危機にある種も多数いる。
(絶滅種・絶滅危惧種を含む)
日本では帰化種も含め、およそ80種類の爬虫類、64種類の両生類が確認されている。その他の動物達同様、水質汚染や生息域の減少で絶滅の危機にある種も多数いる。両生類は特に環境の変化に弱く、地球規模で見ても、約5500種類いる世界の両生類のうち半分近くが絶滅危機種に指定され、今世紀中の全ての両生類の絶滅を危惧する学者もいるという。
地球上に生息する動物達およそ130万種のうち、80パーセント以上を占める100万種が昆虫類。実際には未発見の種も多く、最終的には500万種類にも達するだろうともいわれている。
日本にはそのうち、およそ32000種類以上もの昆虫類がいるといわれている。実際には10万種を越えると推定されているが、いまだ全て解明されていないのが現況だ。
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水質の汚染や生息域の減少などで、絶滅もしくは絶滅が危惧されている昆虫。かつては、普通に野山や小川でみかけたトンボやタガメなども絶滅の危機に立たされている。
(絶滅種・絶滅危惧種を含む)
日本には6000種以上の植物がいるといわれる。園芸用として日本に入ってきたものに押され、絶滅の危機にある種も多数含まれる。
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