すったて
公開日: 2012年7月21日 | 最終更新日 2015年6月25日
夏のスタミナ郷土食
「すったて」とは埼玉県の、特に川島町の農家に昔から受け継がれてきた料理だ。四方を川に囲まれた川島町は、台風などで川が氾濫することで豊かな土壌がもたらされ、その肥沃な大地での稲作が古くから盛んだった。また、土壌が豊かなため、いわゆる裏作(稲を刈り取った後作物を栽培する。)で小麦栽培も行われ、うどん文化が育まれたという。すったてはまさにそんな土地ならではの料理だ。煎りごまに味噌、きゅうりの輪切り、青しそ、ねぎ等のみじん切りを混ぜ、冷水で伸ばして、うどんやそうめんのつけ汁として、またご飯にかけて食べる。いわゆる冷汁(ひやじる)で、「つったて」とも呼ばれる。山形や愛知と並ぶ高温多湿な夏の埼玉の、特に農家などで、重労働の合間にも作りやすく、そして食べやすい食事として愛されてきた夏のスタミナ郷土食だ。