備中松山城
公開日: 2007年10月28日 | 最終更新日 2023年10月11日
天空の山城
江戸時代もしくはそれ以前に建てられた天守が今も残っている「現存天守」。全国で数万ともいわれる城および城跡の中でも、「現存天守」は日本国内にわずか12しかありませんが、そのうちの一つが岡山県にある備中松山城。大松山、小松山、天神丸山(てんじんのまるやま)、前山の4つの山からなる「臥牛山(がぎゅうざん)」(標高487メートル)に築かれた山城です。(他の現存天守は平山城または平城なので、現存天守の山城としては日本で唯一の山城となります。)
天守(現存天守)ほか櫓などの建物や、塀、石垣、土塁などの遺構が残されており、往時の姿を今に伝えています。山城であるがゆえに小松山の標高430メートル付近に位置する「天守」までのアクセスは少々大変ですが、一度は訪れる価値のあるお城。城跡は国指定の史跡に、天守および二重櫓、土塀の一部が国の重要文化財に指定されています。現存天守12城の一つであるほか、日本100名城の一つにも選ばれています。
日本一高い山城
備中松山城は、現存天守であるのみならず、「日本一高い山城」として知られ、「日本三大山城」の一つに数えられています。標高だけであれば標高約721メートルの岐阜の岩村城(美濃岩村城)が、比高(高低差)でいえば奈良の高取城の名が挙げられますが、現存天守の残る山城としては「日本一高い山城」なのです。
備中松山城で雲海を見るには?雲海の時期はいつ?
備中松山城は、兵庫の竹田城と並ぶ「雲海の城」「天空の城」「天空の山城」として知られています。
雲海は、温かな昼間の後、その晩から翌朝にかけて冷え込み、温度差(寒暖差)が大きくなった早朝、なおかつ或る程度の湿り気があると発生しやすいとされています。備中松山城が雲海(朝霧)に浮かぶ光景を見るのならば、9月下旬頃から3月上旬にかけての早朝がおすすめ。特に10月~12月は雲海が発生する場合が多いようです。
備中松山城へ実際に訪れてみて
整然と石垣で固められた田畑を横目に坂道を上り、たどり着いた駐車場に車を止めて徒歩で20分ほどでしょうか。まさに「山城」の名にふさわしい標高差を上がってきてやっと見えてきた堂々たる石垣。さらに上がっていくとようやく天守が見えてきました。
天守そのものは建物としては小ぶりですが、そこに至るまでの道のりで見てきた光景を考え合わせるに、このお城がいかに堅牢で強固であるか容易に想像がつきます。まさに難攻不落の山城。一大要塞です。実際にここまで上がってきて、細部まで眺めその姿を目の当たりにしても、この城を攻め落とせるような気がしません。ましてや、構造などの詳細もわからず麓までやってきたであろう敵の心境は、、、。とはいえ、そんな話も今は昔。柔らかな陽光の下、そこにはとても平和な世界が広がっていました。お天気のおかげもあるのでしょうが、それはとても穏やかで幸せな光景でした。
雲海の季節はもちろんのこと、春や秋などの爽やかなお天気の日にぜひ足を運んでみてください。ただのお城訪問とも、山登りともまた違う、山城ならではの面白さ、楽しさを体感できることでしょう。
備中松山城 詳細データ
備中松山城(びっちゅうまつやまじょう) DATA
- 場所: 岡山県高梁市内山下1
- 交通(公共交通機関で): JR伯備線「備中高梁駅」下車後タクシーでふいご峠駐車場へ。ふいご峠駐車場から天守まで徒歩約20分。
- 交通(車で): 「城見橋駐車場」から登城整理バスで「ふいご峠駐車場」へ。そこから天守まで徒歩約20分。(登城整理バス運行日は「城見橋駐車場」から上は自家用車通行不可。登城整理バス運休日は「ふいご峠駐車場」まで行き、駐車後徒歩20分。
- 駐車場: あり
- 期間: 通年
- 時間: 9:00~17:30(4月~9月) 9:00~16:30(10月~3月)(最終入城時間:閉城時間の30分前まで)
- 休み: 12月29日~1月3日
- 料金: 大人500円、小中学生200円 武家屋敷や頼久寺庭園等との共通入館券あり
- 問い合わせ: 0866-22-1487