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竹田城

竹田城

竹田城

天空の城

兵庫県朝来市。兵庫県の北部、但馬地方の南に位置する市だ。付近一帯からは多くの古墳や遺跡などが発見されており、発掘された装飾品などから、古代には大きな権力を持った豪族がいたと言われている。現在は穏やかな農業地帯が広がり、周囲を山に囲まれた平和で長閑な町だ。とはいえ、山陰本線と播但線、国道9号と国道312号などが合流し、京都・大阪・神戸・姫路などの京阪神の都市部及び丹波地方・播磨地方と兵庫県北部の但馬地方及び鳥取・島根などとを結ぶ交通・物流の要衝でもある。

その朝来市の北部、和田山町に、多くの城愛好家、写真愛好家を集める「天空の城」と呼ばれる城がある。日本百名城にも選ばれた「竹田城」だ。(正確には、建物は残っておらず、石垣が現存するのみなので竹田城址もしくは竹田城跡と呼ばれるのが正しいのだが、この記事ではロマンの意も込めて「竹田城」と呼ぶ事にする。)

竹田城

雑誌やテレビなどでご存知の方も多いかもしれないが、標高353.7メートルの古城山(虎臥山)の山頂に築かれ、日本のマチュピチュとも呼ばれるこの竹田城が、なぜ一部の城や写真の愛好家の間で熱狂的な支持を受け、愛着を持たれているか。それは、その息を飲む圧倒的な美しさゆえなのである。特に秋から早春にかけての早朝、朝霧に包まれて幻想的に山の上に佇むその美しさ。その姿を一度でも目にしたならば、その虜になってしまう人たちの気持ちがとてもよく判るだろう。

確かに、「城」の美しさだけで言うのならば、天守のある姫路城や熊本城の方が、より城らしいし、判りやすい。威厳も感じられるし、建築の美しさも際立っている。アクセスも容易だ。しかし、この竹田城、アクセスの悪さや天守などの建物のない「廃墟感」はむしろ逆にアクセントとなり、訪れる人々のロマンを余計にかきたてる。荒々しくも繊細で、どっしりとしていながらもどこか風のような面持ち、まさに霧の様に現れては消えるうたかたのロマンチシズム。さらに、春には桜が咲き、夏には草が萌え、秋には紅葉し、冬には雪化粧。次々に表情を変えながらも、その魅力は尽きる事がないのだ。心で感じたのならば、誰もが一瞬センチメンタルな吟遊詩人になってしまいそうな、そんな美しさ。幻の光は常に心に残り、荘厳な姿はまぶたの裏に焼きつく。霧と太陽、風と空、全てがある一瞬調和して、この世のものとも思えない「美」を作り出す。圧倒的な美の前で言葉は要らない。ただ、立ち尽くすだけだ。

竹田城
竹田城

竹田城の魅力をフルスクリーンで見る

竹田城
竹田城

竹田城は、守護大名山名持豊(宋全)の家臣、太田垣氏によって嘉吉年間(1441~1443)に築かれた城だ。上でも触れたように、この朝来の地は播磨、丹波と但馬の国境が近く、街道が交わる重要な地。侵攻を防ぎ、守りを固めるために築城されたという。しかし、築城当時の竹田城は、石垣を組み上げただけの砦の様なものであったと伝えられる。その後、改築がなされ、竹田城が現在の様な壮大な石垣を持つ山城に変わったのは、廃城間近の事。この壮大な城郭を築くために駆り出されたのは農民達で、あまりの過酷な労働に、田畑を耕す暇がなく「田に松が生えた」という。

天守台をほぼ中央に配し、本丸以下、二の丸、三の丸、南二の丸が梯郭式(本丸を城郭の片隅に配置し、その2方向、あるいは3方向を他の曲輪で囲む縄張)に配された縄張りとなっている。城郭の大きさは東西100メートル、南北400メートルと国内屈指。大手門のある北千畳と搦手口のある南千畳が鳥が両翼を広げたような形で広がり、天守台の北西部が花屋敷と呼ばれる一郭になっている。

竹田城

   

霧の竹田城

    

霧が出ていなくても素晴らしい山城の竹田城だが、初めて訪れるなら是非霧の出ている朝をオススメしたい。秋から春にかけての早朝に霧が発生しやすいが、特に晩秋11月頃によく霧が現れる。時間は明け方から午前8時頃まで。霧は昼と夜の温度差が大きくかつある程度湿度のある日に、夜間放射冷却が起きて(地表面から熱が放射され地面が冷え)、地面に接している水蒸気を多く含んだ空気が冷やされることで発生するので、そんな気象条件の日を選ぶと、霧に包まれた竹田城を見る事が出来る可能性が高くなる。具体的には、「当日の朝晴れていて、風が比較的弱いこと」、「日本海側に高気圧の中心がある」「前日の昼間と夜間の温度または最高気温と最低気温の差が大きいこと」等が挙げられる。現代の科学をもってしても天気予報がしばしば外れるように、天候は中々予想的中とはいかない場合もあるが、天気予報などをよくチェックして出かけるのが「霧の竹田城」への近道だ。

    

服装と装備

     

虎が臥しているようにも見える事から、別名「虎臥城」とも呼ばれる竹田城は、標高標高353.7メートルの山の上に築かれており、アクセスも中々容易ではない。車で行く場合でも途中の駐車場から、軽い山登りをしなくてはならないので、足元はしっかりとしているに越した事はない。山道に慣れている人ならば、大したことはないが、少々急な箇所もあるので注意が必要だ。特に竹田城から朝日を撮ろうと思う場合など、暗い道を行かなくてはいけないのでヘッドライトなどが必要。さらに季節的に冷える事も多いので、防寒着があるといいだろう。

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Japan Web Magazine 編集部

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