自然薯
公開日: 2015年11月12日 | 最終更新日 2022年10月30日
知らない人が見たら、ただの「根っこ」か何かにしか見えないが、その価値と味を知っている人が見たら、まさに「宝の山」のようにも見えるだろう。
大分の山あいの農作物直売所で、「自然薯」がたくさん入った籠をみつけた。
地域によっては、ヤマノイモ(山の芋)、山芋、ジネンジョウなどとも呼ばれるこの芋は、11月から1月頃にかけて旬を迎える。全国各地の山に自生するが、地中深く成長する為、途中で折れないように、折らないように掘り出すのに骨が折れるので、野生のものは中々いい値がつくが、その価値は十分あると頷けるような滋味に溢れている。
あたり鉢(すり鉢)でおろしてから、出汁や醤油、卵などを加えてトロトロの「とろろ」にする。それを麦飯にかけて食べた時のその美味しさと言ったら!!
おろさずに一口大に切って衣をつけて「天ぷら」にしても美味しいし、かるかんや薯蕷饅頭などの菓子の原料ともなる。
また、茎が肥大化して出来る「むかご」は塩ゆでしてつまみにしたり、ご飯と一緒に炊き込んだり。
日本原産のヤマノイモ・「自然薯」は、まさに日本人の生活に昔から深く関わってきた芋なのだ。