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大須観音にて

名古屋駅から電車で約15分、名古屋の繁華街の一つ大須にある大須観音は、日本三大観音の一つにも数えられる寺院。ご本尊として聖観音を祀る真言宗智山派の別格本山で「北野山真福寺宝生院」が正式名称だが、地元の人々には大須観音と呼ばれ親しまれている。

大須は、1612年(慶長17年)に、徳川家康の命により、美濃国中島郡長岡庄大須郷(現在の岐阜県羽島市桑原町大須)にあった真福寺寶生院が現在の場所に移されて以降、門前町として発展してきた場所で、幕末から大正にかけては歓楽街として、さらに戦後には、秋葉原(東京)、日本橋(大阪)と並ぶ日本三大電気街の一つにも数えられた電気街として栄えてきた。現在では、名古屋駅周辺に大型電気店が進出して以降、電気街としては規模を縮小したが、メイドカフェやコンセプトカフェなどが点在するサブカル系の街として、さらにはアーケードや裏路地に、からあげ屋、食料品店、飲み屋、雑貨店、ガチャポン専門店、古着屋、ゲームセンター、様々な国の料理を出すレストラン、家具屋などが軒を連ねる一大繁華街となっている。

大須観音はそんな大須の街の中心、シンボルとして長らく崇敬されてきた。様々な店と人が集まる混沌とした繁華街にあって、空の見える開けた空間と風になびく幟、朱塗りの諸堂は、人々にひと時の安らぎと癒しを与える。日々訪れる沢山の老若男女。祈りを捧げ、誰かに思いを馳せ、何かを思う。境内の鳩と戯れる人。デートでやってきたカップル。散策の途中に立ち寄ったお年寄り。賑やかな子供連れ。大都会の町中に同居する由緒ある寺院の、或る一つの素敵な瞬間がそこにはあった。

大須観音(北野山真福寺宝生院)
所在地:愛知県名古屋市中区大須2-21-47
交通:名古屋市営地下鉄鶴舞線大須観音駅、2番出口から徒歩3分
公式HP:http://www.osu-kannon.jp/index.html
問い合わせ:052-231-6525

撮影場所

JAPAN WEB MAGAZINE JWM-YU

その場所に行ったら、見るべき場所、食べるべき料理・スイーツ、訪れるべきスポットなど、有名無名を問わず独断と多少の偏見と多分の好みを交えてご紹介します。好きなものはカレー、苦手なものは喧噪。

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