石垣島の浜辺にて
公開日: 2015年9月9日 | 最終更新日 2015年9月10日
石垣空港から車を走らせること約30分、石垣島の北西、「川平湾」にほど近い場所にある底地ビーチ(すくじびーち)には、まさに南の島の楽園という風景が広がっていた。
眩いばかりの青空と海。美しい砂浜。静かな波。足首ほどの水深で、どこまでも広がる遠浅の海。夜になると降り注ぐような満天の星空も見えるそうで、石垣島を代表するビーチの一つ、というのがつくづくうなずけるような美しいビーチだ。
そんな底地ビーチでのんびり寛いでいると、傍らにとことことミナミスナガニがやってきた。大きさは4センチメートルほどだろうか、透明感のある白い甲羅に砂色の模様が入ったかわいいやつだ。
絶妙な加減でランダムに入ったこげ茶色が、まるで浜辺に落ちている小さな小さな石のようにも見えて、じっとしていれば気が付かないほどに見事に砂浜と同化している。降り注ぐ光で甲羅が時折、きらきらと輝いて美しい。
警戒しているのか、何かを探しているのか、くりくりっと目を動かしては、ちょこっと進んでまた止まる。いつだったか、テムズ川沿いの水族館で小さなカニが両のハサミを駆使して一生懸命餌を食べているのを正面から眺めて、そのあまりのキュートさとユーモラスな雰囲気に身悶えしたことがあったが、このミナミスナガニの可愛さも中々どうして。とことことまた歩み去ってしまうまで、キュンきゅんしながら、しばらく眺めていたのであった。