京都 伏見の街角
兵庫県の「灘」、広島県の「西条」と並ぶ日本三大酒処の一つ、京都「伏見」の風情ある町角。
稲作が始まった弥生時代から続いているともいわれる伏見の酒造りの歴史。「金名水」「銀名水」「白菊水」など多くの名水伝説も残る、桃山丘陵から流れ出る上質な水を使った伏見の酒は江戸時代から評価が高く、明治の後半には、天下の酒処として全国にその名を轟かせたという。
全体的に甘口のお酒が多いので「女酒」とも呼ばれる伏見の酒は、まったりとしていて奥深い味わいで、各地の数多の酒好きの舌を喜ばせてきたことだろう。
日本酒の消費量が落ちて、各地の蔵がその歴史を終えるなど、残念なニュースを耳にするようになって久しいが、ここ伏見では今も酒造りが盛んに行われており、二十数か所の酒蔵が存在している。特に、京都百景の一つとして知られる伏見南浜地区界隈は、白壁土蔵の酒蔵など、江戸時代の風情漂う町並みがそこかしこに残っており、酒処である伏見を代表する景観として、多くの人が訪れる地となっている。