サロマ湖
公開日: 2008年2月24日 | 最終更新日 2015年6月24日
冬のサロマ湖
その朝世界は、青色の静寂に支配されていた。何も聞こえない。何も動かない。風もない。瞬く光もない。歌もない。ただ、辺りは恐ろしいまでの静けさに覆われていた。それはまるで澄み切った哀しみが凍りつき、砕け散って風に乗り、どこか別の世界に降り積もってそうして固まってしまったかのようだった。迸る全ての情動は失われ、ただ淡々とそこにあった。ただ純粋にそこにあった。もはや悲哀も後悔も怒りも喜びもない。そこにはただ、絶望的なまでに美しくて優しい青色があるだけだった。
北海道の北東部にあるサロマ湖は琵琶湖、霞ヶ浦に続く日本で三番目に大きな湖。一部が海と繋がっているために淡水と海水が入り交じり、豊かな生態系が形成されている。ほたてやカキなどが有名だ。夕日の美しい場所としても知られ、夏には多くの観光客や旅人で賑わうが、冬になると静かな美しさをたたえた透明な世界が広がる。
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サロマ湖 DATA
- 面積:151.7キロ平方メートル
- 周囲:91.04キロメートル
- 最大深度: 19.6メートル
- 海抜: 0メートル
- 所在地: 北海道常呂郡佐呂間町、紋別郡湧別町、北見市
- 交通: 網走から車で50分
- 問い合わせ: 佐呂間町経済課商工観光係 01587-2-1200
サロマ湖
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