八尾の美しい町並み 日本一美しい祭り「風の盆」の舞台である町のその美しさに触れる
公開日: 2022年11月5日 | 最終更新日 2023年9月22日
「おわら風の盆」の町
富山県の八尾(やつお)といえば、開催期間中には約25万人もの人々が集まるという全国的にも有名な「おわら風の盆」。煌びやかで賑やかな現代の祭りと対極をなす、「江戸時代はこうであったろう」と容易に想像させられるような「幽玄」で美しい伝統的な祭りとして知られています。
一説には江戸時代の元禄の頃から行われているというこの「風の盆」は、実際に息をのむほどに美しいのですが、実は「八尾」は、町そのものの美しさも見逃せません。
昔ながらの伝統的な建物がそこかしこに点在、神社仏閣も建物は重厚で荘厳ながらも、そこに流れる空気の柔らかさと距離の近さ、「親近感」を抱けるような優しい雰囲気が「八尾」ならではの魅力を醸し出しているのです。
坂道に沿って続く表通りの「趣」のある佇まいと、表通りから脇に伸びる路地の落ち着いた雰囲気。時折すれ違う地元の人も、街角で出会うネコも、どこか品があって凛としている気がします。
古くから続いてきたものを大切に守り、次の世代へとつなげていく、美しくも自然な流れがそこにはある気がします。だからこそ、あれほどまでに美しい「風の盆」があるのでしょう。町と人が放つ、気品と優しさと穏やかな気配。
人の喜びや悲しみ、愉しみや苦しみは、時がたっても時代が変わっても、その奥底にあるものは変わらない。生きる上で本当に大切なものは何か、何を大切にして生きていくべきなのか。ふと気が付くとそんな事にまで想いが至ってしまうほどの奥行きのある美しさなのです。
八尾を訪れるのにおすすめの時期
「風の盆」の時だけではなく、静かな八尾こそ、本当に訪れる価値があると言えるでしょう。八尾の風情残る町並みをじっくりゆっくりと堪能できるからです。
全国から観光客が数多く集まる「風の盆」(9月1日~3日)のほか、5月初めの「越中八尾曳山祭」、「民謡セッション」などがある2月の「越中八尾冬浪漫」、アートイベントである「坂のまちアートinやつお」(10月半ば頃)の時期と、ゴールデンウィークやその他の祝日、土日を外せば、大抵静かな街歩きをすることができると思います。
できれば、一人か少人数で。静かで穏やかな雰囲気を文字通り「静かに穏やかに」満喫できると最高です。
町と、そこに住む人とネコに最大限の敬意を払い、穏やかで謙虚な気持ちで散策をする、そうしてこそ初めて見えてくる様々な魅力に気が付くでしょう。
賑やかな旅は賑やかな場所で。静かな場所では静かな旅を。
結果的に得られるものは、そちらのほうがはるかに多い気がするのです。
自分ならではの「旅」を探しに、ぜひ八尾にいらしてみてくださいね。
八尾の美しい町並み
八尾のメインストリート「諏訪町本通り」
「風の盆講中演舞」が行われる桐野山聞名寺(もんみょうじ) 八尾の町はこの聞名寺の門前町として発展した
創建は天平年間(西暦729年~749年)といわれる八尾の町の鎮守「八幡社」
まとめ
富山県の富山市にある美しい「八尾」を旅するなら、「静かな旅がおすすめ」というお話でした。静かな旅をするには、一人または少人数がおすすめ。町の雰囲気を壊さず、のんびりゆったり穏やかに散策を楽しめば、身も心もほっこりとしてきます。理想的には朝や夕に一人で訪れ、静かに町の魅力を堪能するのがおすすめです。
「日本の道百選」にも選ばれた江戸の風情がそこかしこに残る美しい石畳の道を歩きに、八尾の町に足を運んでみてください。
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江戸の風情が残る町並み
八尾(やつお) DATA
- 場所: 富山県富山市八尾
- 交通(公共交通機関で): 富山駅からJR高山本線で25分、「越中八尾駅」下車、徒歩約30分
- 交通(車で): 富山ICから車で20分
- 問い合わせ: 越中八尾観光協会 076-454-5138