石灯籠と鳥居
会津若松市から南へ伸びる国道118号線は、須賀川市を経由して茨城県水戸市へと至る道路。湯野上で121号線と接続するまで、会津鉄道線とつかず離れず並びながら続いている。
そんな国道118号線を会津若松市から南下して、20分ぐらい走っただろうか、なんとなく右手方向が気になったので交差点を右折すると、左手前方に鳥居が見えた。
周囲は豊かな田んぼ、鳥居の奥にはまさに「鎮守の森」といった感じの大きな木々が生え、社を守っている。
会津鉄道の踏切を越え、田んぼの間に参道と思しき轍が出来ていたので、傍らに車をとめて近づいてみた。
標高はそれほど高くないものの背後にはこんもりとした山があり、左手には竹林が広がっている。国内でも少し緑豊かな場所に行けば、どこにでも見られるような「周辺集落一帯の鎮守様」に違いないが、いかにも心地よい空気に満ちているのだ。ぐるりと360度見回した時の「緑」の割合の高いこと。まさに自然と一体となっている感じだ。
かつて、日本には「鎮守の森」が数千か所あったという。それぞれの地域の人々が、村の、集落の守り神として崇敬し、大切にしてきた場所だ。戦後すぐのあるデータでも3000ヶ所弱の鎮守の森があったというが、現在、それは百ヶ所以下に減ってしまったともいわれる。