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秋田の郷土料理

秋田の料理

しょっつる鍋

ハタハタと秋田の料理

ハタハタは別名カミナリウオとも呼ばれる体長15センチ~20センチほどの深海魚。秋田を始めとした日本海側でよく食べられている地元の人には馴染み深い魚だ。

ハタハタは漢字で魚偏に「神」と書く。昔、食べ物の少ない冬にこの魚が大挙して浜辺にやって来たことから、神からの贈り物だというのでこのような名前になったとも、雷がなる頃に獲れるのでこのような名前が付いたとも言われている。秋田の、特に沿岸部の郷土料理はこのハタハタ抜きには語れないとても重要な魚だ。鍋の具材となり、保存食となり、そして調味料にもなるからだ。

ハタハタ

はたはたは刺身は勿論、焼いても煮ても一夜干しにして炙っても美味しい魚だ。以前は大量に獲れたので各家庭ごとに箱買いをして干したり塩や味噌に漬けたり、色々な料理法と保存法で食されたという。一時期漁獲高が減少し、卵の捕獲が禁止されたり、数年間漁獲制限がなされたが、それらが功を奏し、ここ数年再び漁獲高が戻ってきている。

秋田

しょっつる(塩魚汁)

秋田の郷土料理になくてはならない調味料、それがハタハタから作るしょっつるだ。ハタハタを塩漬けし、発酵させて作る。石川県能登地方のいしる(いしりとも・・・主にイカから作る)(注)、よしる(よしりとも・・・主にイワシ・サバから作る)や、香川のいかなご醤油もしょっつるの仲間だ。海外では、タイのナンプラー、ベトナムのニョクマム、ミャンマーのガヴィ、フィリピンのパティス、中国の魚露(ユイルゥ)や韓国のカン醤などがある。いずれも、魚介と塩を原料とし、発酵熟成させて作る旨み深い発酵調味料。独特の香りがあるが一度好きになるとやめられない。「しょっつる」も生の状態では多少魚臭さが鼻に付くものの、一度鍋などに入れると、香り豊かなまろみのある旨みが広がる素晴らしい調味料だ。このしょっつる、昔は各家庭でそれぞれハタハタを塩漬けにするところから仕込んで作ったといい、主婦の腕の見せ所でもあった。

注:いしる、よしるについては呼び方、語源とも諸説あり。「塩しり」、「塩しる」などとも。場所によっては材料にかかわらず、ひっくるめていしるまたはいしりと呼ぶ。

しょっつる

ハタハタいずし

ハタハタいずし

ハタハタのいずし。いずし(飯鮓・飯寿司や飯鮨などとも書く)は、北日本の沿岸部で主に冬に作られ食されている食べ物だ。糀や野菜と共に、ほっけ、鮭、鰊などを使って漬ける発酵食品だが、秋田ではハタハタがよく使われる。甘みたっぷりのハタハタの身の歯ごたえと乳酸発酵によって旨みがさらに深まった酸味交じりのその味わいは冬の絶品。各家庭によって少しずつレシピが違い、それぞれ先祖代々受け継がれてきた味を持つ。正月にも食される北の冬の風物詩だ。

秋田秋田秋田

ブリコ

粒の小さな葡萄とでもいおうか。粒の大きな海ぶどうというべきか。ブリコと呼ばれるハタハタの卵は粒のしっかりした緑から濃い赤っぽい色(成熟度による)をした立派な卵。火が入るとピンクから白っぽい色へと変化する。しょっつる鍋に子持ちのハタハタが入った場合に味わえるほか、ブリコだけ取り出して、軽く醤油とダシなどで味付けして食べる。粘っこい糸を引きながら、その名の由来ともなったといわれるブリッブリッっとしたゴムのような噛み応えのある食感は一度味わったら忘れられない。ハタハタの捕獲が制限されていた時でさえ、密かに浜に打ち上げられたブリコを獲ろうとする人が後を絶たなかったというのもうなずける話だ。

   

ハタハタの卵「ぶりこ」

ハタハタの卵「ぶりこ」

しょっつる鍋に入ったハタハタの白子

しょっつる鍋に入ったハタハタの白子

   

      
       
         

ハタハタの塩焼き

ハタハタの塩焼き

かやき

貝殻(主に帆立貝)を鍋代わりに、出汁をはりハタハタなどの季節の魚とねぎなどの野菜やキノコ、豆腐などを入れ、しょっつる等で味付けをしたもの。味噌で味をつけたものを「味噌かやき」とも呼ぶ。「貝焼き」の音が変化して「かやき」と呼ばれるようになった。通常のかやきは寄せ鍋のような雰囲気でどちらかというとさっぱりとした味わいだが、味噌かやきは朴葉味噌やねぎ味噌のように、味噌の香ばしさがたまらない濃厚な一品。酒好きにはたまらない肴だ。

秋田
秋田

いぶりがっこ

雪深い山里の家で必須のものと言えば暖をとるための囲炉裏。今では囲炉裏のあるうちも少なくなってしまったが、この囲炉裏は暖かさのほかにも人々に様々な恩恵を与えてくれる。その火を使っての煮炊きは勿論だが、燃やした炭や薪から出る煙が家の柱を丈夫にし、吊るしたりして保存している食べ物に独特の香りをつけ、なおかつ保存期間まで延ばしてくれるのだ。これは煙に殺菌作用がある成分が含まれるからで、例えば意図的にこの殺菌作用と香りを利用する食べ物に燻製がある。燻製というと西洋発祥のイメージがあるが、勿論日本にも昔かられっきとした燻製がある。鰹節がそうであり、このいぶりがっこもそうだ。

いぶりがっことは大根を囲炉裏のある場所に吊るしていぶって燻製にした後、糠漬けにしたもの。秋田の伝統的漬物だ。燻製にすることでつく香りがいぶりがっこを通常の糠漬けとは一線を画すものにする。ぽりぽりと噛むとふわりと鼻に抜けていく香ばしい薫香は、懐かしさを覚えさせる。その皺は、囲炉裏端で優しく微笑む翁(おきな)、嫗(おうな)の顔に刻まれた深い皺に似て、一朝一夕には出来上がらない暖かくて味わいのあるものだ。

秋田

なた漬け(鉈漬け)

     

豪快になた(鉈)でざっくりと乱切りにした大根を漬けたもの。その荒々しい表面が漬かることによって柔らかさを増し、ほのかに甘く、ほのかにぴりっとしていて、ご飯が進む。鉈で切るというのは決して奇をてらってのことではなく、表面積をひろくすることによって漬かりやすくした先人の智慧。

秋田

きりたんぽ鍋

     

今や秋田の郷土料理といえば「きりたんぽ」というほど全国に浸透した秋田の名物料理。いぶりがっこと同じく、囲炉裏のある雰囲気によく似合う食べ物だ。元々はマタギの料理として生まれたものが一般家庭に浸透したものという。秋田県でも県北の大館市などで特によく食べられている鍋だ。

杉の棒にご飯をつぶして棒状に巻きつけ、囲炉裏の火で焼いたものを「たんぽ」という。これを切って、秋田の誇る地鶏、比内鶏でとったスープで、ごぼうや葱、セリと舞茸などのキノコと共に火を通したのが、「きりたんぽ鍋」。地鶏のスープが、香ばしく焼かれたきりたんぽに浸み込んで何ともいえぬ味わいだ。体がぽかぽか温まること請け合い。「たんぽ」は鍋のほか、味噌を塗って、もう一度火で炙り「みそたんぽ」として食べたりもする。ご飯を棒状にせずに丸めて作る「だまっこ鍋」というものも。

秋田
みそたんぽ

みそたんぽ

稲庭うどん

うどんといえば讃岐うどんが有名だが、ここ秋田の稲庭うどんも負けてはいない。太くてコシの強い讃岐うどんとは対照的に、細くて透明感のある稲庭うどんはするっとした上品な喉越しが特徴で、清涼感に溢れている。細いながらもきちんとコシがあり、舌触りも滑らかで、お酒を飲んだあとでもぺろっと食べれてしまう。この稲庭うどん、17世紀には既に存在していたといわれ、長い間地元の人々に愛されてきた秋田の名物うどんだ。

秋田

秋田が生産量日本一を誇る「じゅんさい」をのせて

秋田

冷やしては勿論の事、温めても透き通る食感と喉越し

ババヘラ(ババヘラアイス)

秋田のご当地アイス、ご当地スイーツがこのババヘラ(ババヘラアイス)。主に暑い季節に、秋田県内の大きな道路沿いや祭りなどのイベント会場の片隅などで見かけることの多い、淡い色のかわいらしい氷菓だ。その名の由来は「ババ(秋田で女性の中高年のこと)」が「ヘラ」で花弁のように美しく盛り付けてくれることから。黄色のバナナ味のアイスとピンク色のイチゴ味のアイスを金属製のヘラを用いて順番に盛り付けることで、かわいらしい花びらのような見た目となる。夏に秋田を訪れたらぜひ味わいたいスイーツだ。

ババヘラ

秋田の食の風景

秋田
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Japan Web Magazine 編集部

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