雪の富山城
公開日: 2015年2月4日 | 最終更新日 2023年5月29日
雪雲に町の光が反射して、真夜中とは思えないほど明るい午前1時、車のあまりいない大通りを静かに走っていると、雪を屋根に抱いた富山城が姿を現した。
雪と白壁の為か、ひときわ明るく輝いている。暗いお堀の水とのコントラストがとても美しい。
別名「浮城」とも呼ばれた富山城は、加賀藩から分家した前田氏を城主として、江戸時代を通して富山の藩政の中心であった場所だ。
富山は北陸街道と飛騨街道が交わる「越中」中部の交通の要衝で、物資や人が頻繁に行きかった。
かの有名な「富山の薬売り」もこの富山を拠点に全国に販売網を広げていた。一説には、各藩の状況を見聞し、知識、情報、技術などを藩に伝える役目も担っていたとか。
富山城は、明治維新後に廃城となり、現在「城」と呼ばれているこの建物は、模擬天守として戦後に建てられたものだ。富山市郷土博物館として運営されており、縄張りは富山城址公園として整備されている。