日本の国技「相撲」についてどれくらい知っていますか?
公開日: 2019年6月13日 | 最終更新日 2024年2月11日
本場所中なら、テレビをつければ昼夜を問わずに取り組みの様子やニュースが流れ、その映像を見る事が出来る日本の国技「大相撲」。子供の頃から幾度となく目にしていて、なんとなく身近に感じる存在です。とはいえ、良く考えてみたら知らないことだらけ。例えば、土俵の大きさは?「ちゃんこ鍋」の「ちゃんこ」って何?塩ってどれくらい使うの?などなど、疑問が沢山。体の大きなお相撲さんの姿は見慣れていても、相撲の細やかなことは、(ファンでもない限り)知らないことが色々とありそうです。皆さんはどれくらい相撲のことを知っているでしょうか?
日本の国技「相撲」
古来、神様に奉納するための神事として行われていた相撲。その起源は非常に古く、古事記や日本書紀にも描写が見られます。その成り立ちは諸説ありますが、「力自慢」「体躯自慢」の男達が神前で、神々への感謝や敬意をあらわす行為として始まったといわれ、各地で同時発生的に行われるようになったともいわれています。
世の平安や、子孫繁栄などを祈るとともに、占いの要素などもある「奉納相撲」は、四国、九州、沖縄をはじめ、全国で現在も行われています。勝ち負けによって、翌年の大漁、豊作、天候の安定の可否を占うもので、中には霊と勝負するという「ひとりすもう」と呼ばれるものもあるとか。いずれも、敬虔な信仰心と、漁民や農民の願い、祈りが結びついたものなのでしょう。
相撲の知識
土俵の大きさは?
土俵
合計20(勝負俵16+徳俵4)の俵で作られる輪の大きさは直径4.55メートル(15尺)。
一辺が最大で727センチの正方形に盛られた土台に作られます。東西南北に位置する徳俵が少しずつ外側にはみ出して埋められています。これは屋外で雨が降った時に、溜まった水をそこから出すためのものですが、屋内で行われる興行でもその形状は守られているのです。
江戸時代以前には、今のような土俵はなく、大勢の見物人が輪を作り、その内側で取り組みを行っていたといいますが、ひいきの力士を助けるために見物人が手を出すなど、いざこざが絶えなかった為、江戸時代に入ってから、まず、四隅に棒をうち紐で結んだリングのようなものが作られ、それが次第に変形して、現在のような土俵となったそうです。
1890年代の取り組み風景
土俵の真ん中に?
「土俵の真ん中に埋まっているもの?」
15日間、大きな身体の男達が真剣勝負をする神聖な場所、土俵。実は土俵の真ん中に埋まっているものがあるのですが、ご存知でしょうか?
これは、いわゆる「しずめもの」と呼ばれるもので、本場所前日に執り行われる「土俵祭り」の儀式の最後に埋められます。縁起物としての「勝栗」や、「昆布」「するめ」「お米」「塩」、そして「カヤの実」とよばれる実が、神々への供物として、土俵の真ん中に埋められるのです。
土俵を清め、力士達の無病息災を祈り、15日間、場所が滞りなく進み、万事無事に終わるようにとの願いがこめられています。
一日の塩の量?
力士が豪快に塩をまく姿に、昂揚を覚える方も多いのではないでしょうか?
特に大柄の力士がぐいっと塩を握り、土俵一杯に広がるように塩をまく姿は勇壮で、見ているだけで爽快な気分になるものですよね。
それと同時に、ぴっと気が引き締まり、緊張が高まり、「始まるな」という気分にもなります。当の力士達本人はなおさらのことでしょう。塩をまいて、パンとまわしや顔を叩いている姿は小気味がよいものです。
この塩をまくと言う行為、ご存知のように「清め」の意味があるのですが、一日に一体どれくらいの塩が使われるか、想像したことがあるでしょうか?
例えば、両国国技館では一日45キログラムもの塩を用意するそうです。15日間トータルでなんと650キロ以上!なんとも豪快な量ですね。