遠州焼き
公開日: 2012年9月22日 | 最終更新日 2023年9月23日
カラフルなご当地グルメ
「遠州焼き」は、浜松エリアで食べられているご当地グルメ・B級グルメ。かつては、静岡おでんや富士宮の焼きそばのように、地域の駄菓子屋で出され子供達に愛されてきた食べ物だ。今では駄菓子屋は勿論、居酒屋や鉄板焼き屋など、様々なお店で供され、老若男女が舌鼓を打つ。
一見、普通のお好み焼きに見える遠州焼き。実際に地元では「お好み焼き」と呼ばれていたものだが、通常のお好み焼きとは少し違う。それは食べてみるとわかる。ひと切れ箸で持って口にほおばると、ソースや鰹節やネギ、紅しょうがの味と香りが広がる中に、パリポリっとした食感が入り交じっている。
よく見ると断片に黄色いものが見え隠れしている。そう、たくあん漬けのみじん切りが入っているのだ。
終戦後、物資が不足していた時代、浜松近郊の三方原特産の大根で漬けたたくあん漬けが比較的手に入りやすかったことから、そのたくあん漬けを細かく切って、昭和初期から各地で食べられていた一銭洋食(生地にネギを入れて焼いてソースを塗ったもの)に、一緒に混ぜて焼くようになったのが始まりという。
お好み焼きの美味しさに、たくあん漬けの旨みと塩味、そして歯ごたえと食感が加わった浜松のソウルフードだ。