見るだけで、聞くだけ幸せになりそうな「縁起の良い名前」の駅に行ってみよう!
公開日: 2022年4月13日 | 最終更新日 2022年4月13日
幸せな駅名
鉄道大国日本にある駅の総数は9000以上。新宿駅や東京駅の様な超巨大ターミナル駅から、のどかなローカル駅まで様々ですが、その中には名前を見るだけで(聞くだけで)、なんとなく幸せになってしまうような「縁起のいい名前」「漢字の良い(感じの良い)名前」の駅が幾つもあります。その最たるものが、今は路線自体が廃線となり、駅としての機能はなくなってしまったものの、NHKの旅番組「新日本紀行」をきっかけにブームになった当時は爆発的な人気を誇り、廃線になってもなお年間10万人以上もの観光客が車やバスで訪れるという旧国鉄広尾線(北海道)の「幸福駅」と「愛国駅」でしょう。
「愛の国」から「幸福」行きとして、切符も1000万枚以上も売れたという、今となっては半ば伝説の様なエピソードを持つ駅です。
もちろん、「幸福駅」がブームとなったのはその名前の縁起の良さだけではないでしょう。「新日本紀行 幸福への旅 ~帯広~」が放映された1973年(昭和48年)当時の日本の観光産業の状況を見てみると、1970年に開催された大阪万博(開催期間183日間の入場者数6421万8770人!)で旅行ブーム、観光ブームが過熱、番組放映前年の1972年には新幹線が岡山まで、翌々年の1975年には博多まで延伸するなど、交通網の整備もなされ、人々の旅行熱が盛り上がっていたことがうかがえます。ましてや道外の人にとっては憧れの旅行先の筆頭「北海道」。幸せな名前の駅が、いつかは行ってみたい北海道にあると知って、沢山の人達が旅に出かけ、駅を訪れたり切符を購入したのは想像に難くありません。いつの時代も、人は幸せを求めるもの。素敵な名前、縁起のいい名前に惹かれた人、特に若い男女は多かったことでしょう。
というわけで今日は、日本各地にある素敵な名前の駅、幸せな響きの駅、行ったら何かよい事がありそうな名前の駅を集めてみました。車窓を流れる景色を眺めながらのんびりと電車や汽車で訪れるもよし、ドライブがてら出かけてみるもよし。好きな人と、家族で、友人知人同士で、そしてもちろん気兼ねなく一人で、是非一度足を運んでみて下さいね。疫病に戦争と、何かと不穏で不安が多い世の中、皆さんに少しでも多く「良いこと」「素敵な事」が起きることを願ってやみません。「漢字や名前がいいだけ、駅名の響きがいいだけで、行ってみたって、別に良いことがあるわけない」と、訝しんでいる超現実主義者の人も居るかもしれませんが、例えば、有名経営者や大企業の会長社長、成功した芸能人たちが、由緒ある神社に欠かさず通う、という話もよく耳にします。例え、駅の名前だとはいえ、素敵な響きの名前の駅に行ってみれば、何かしら素敵な事が起きるかもしれませんよ?!
福生駅
「福生駅(JR青梅線)」・・・東京の西、多摩地区の福生市にある福生駅。「ふっさえき」と読みます。アイヌ語由来など「福生」の名前には諸説ありますが、文字は後から当てられたものと言います。近隣や都内在住の人など「ふっさ」と音で覚えていて、ことさら「縁起がいい」と思いもしないかもしれませんが、改めて漢字を見てみれば「福が生まれる」駅。なんと縁起のいい名前!
幸駅
「幸駅(島原鉄道島原鉄道線)」・・・その名もずばり「幸駅(さいわいえき)」。長崎県諫早市にある島原鉄道の駅です。いかにも縁起の良い駅名は、地元「幸町」の名から。2000年(平成12年)開業の島原鉄道では一番新しい駅です。ちなみに「幸町」という、一度は住みたくなってしまう素敵な名前の町は、北海道に27あるのをはじめ、全国に150以上あります。
福吉駅
「福吉駅(JR筑肥線)」・・・「福」と「吉」という、漢字の中でも筆頭クラスの縁起の良い文字を組み合わせた駅名。福岡県糸島市二丈吉井に位置するJR九州筑肥線の駅です。1923年(大正12年)、筑肥線の前々身(旧国鉄筑肥線の前身)である「北九州鉄道」の駅として開業しました。隣の駅が「大入駅(読み方はだいにゅうえき)」といい、旧国鉄時代には「福と吉」が「大入り」とかけて両駅間の記念切符が発売されていて、人気を博したそうです。ところで、本題とはずれますが、あらためてこうして字面を見ると「福沢諭吉」の名前はとても縁起のいい名前ですね。
黄金駅
「黄金駅(JR室蘭本線・近鉄名古屋線)」・・・お金持ちになりたい人、「宝くじがあたったらいいな」なんて思っている人にはもしかして効き目があるかもしれない「黄金駅」。コールドラッシュ時代のアメリカ人や、ゴールデンカムイの登場人物なら思わず反応してしまうかもしれない、めでたくてゴージャスな響きの駅名ですね。「黄金駅」という名の駅は二つ存在し、一つは北海道伊達市の南黄金町に位置するJR北海道の室蘭本線の駅、もう一つは愛知県名古屋市中村区黄金通8丁目にある近鉄名古屋線の駅。二つとも「こがねえき」と読みます。北海道の「黄金駅」は、アイヌ語で昆布が生えている場所といった意味の「オコムシプウペ」が「黄金蘂駅(おこんしべえき)」となり、後に「黄金駅」に改名されたもの。名古屋の方は町が出来た当時、周辺一帯が黄金色の稲の穂でいっぱいだったから、という金のしゃちほことは関係ない意外にも風流な由来です。北海道の黄金駅の近くには世界遺産に登録された北黄金貝塚があるので、合わせて訪れてみて下さい。ちなみに北海道の「黄金駅」は「海が見える駅」としても有名です。
恋し浜駅
「恋し浜駅(三陸鉄道南リアス線)」・・・元々「小石浜駅」という名前の駅でしたが、地元産のブランドホタテ「恋し浜」にちなんで改名され「恋し浜駅」という名の駅になりました。岩手県大船渡市三陸町綾里字小石浜にある三陸鉄道南リアス線の駅です。若い男女を中心に人気を集めています。
寿駅
「寿駅(富士急行線)」・・・「福」や「吉」と並んで、縁起の良い「寿」。長寿、長命のほか、祝い事、祝う言葉といった意味を持つ字が駅名のこの駅は山梨県富士吉田市の上暮地という所にある富士急行の駅です。1981年に改名されるまでは所在地に因んだ「暮地駅」という名でしたが、縁起の良い名前に、ということで「寿駅」の名になったそうです。無人駅の小さな駅ですが、富士山に近い立地と縁起の良い名前から、結婚や還暦の祝い、引き出物として入場券が人気です。(大月、下吉田、富士山、富士急ハイランド、河口湖などの有人駅で発売しています。)
おかどめ幸福駅
「おかどめ幸福駅(くま川鉄道)」・・・「おかどめ幸福駅」は熊本県球磨郡あさぎり町にある「くま川鉄道湯前線」の駅です。広尾線の廃止で「幸福駅」が駅としての役目を終えている現在、日本国内で「幸福」の字がつく駅はこの「おかどめ幸福駅」だけとか。近隣にある、創建1280年(弘安3年)の岡留熊野座神社(おかどめくまのざじんじゃ)が、「難を留めて幸せを祈る社(やしろ)」として「幸福神社」の別称を持つことに由来した駅名です。
希望ケ丘駅
「希望ケ丘駅(相模鉄道本線)」・・・神奈川県横浜市旭区中希望が丘に位置する相模鉄道本線の駅です。開業は1948年(昭和23年)。戦後、公募により決定した「明るい未来を」との願いがこめられた地名が「駅」のある地域一帯につけられ、駅名もその名に由来しています。いかにも就職や進学に縁起の良さそうな名前の「希望ケ丘駅」ですが、さらに同じ相模鉄道の「いずみ野線」には「ゆめが丘駅」とこれまた縁起の良さそうな名前の駅があり、「夢と希望を結ぶきっぷ」として両駅間の切符「ゆめきぼ切符」が受験シーズンになると発売され、受験生たちや就職活動をしている人達の人気を呼んでいます。
八多喜駅
「八多喜駅(JR予讃線)」・・・末広がりの「八」に「喜び」の「多い」という、とても素敵な名前の「八多喜駅」は、愛媛県大洲市八多喜町にあるJR四国予讃線の駅です。「八多喜駅」と書いて「はたき」と読みます。所在地の通り、地名が由来となった駅です。とても静かな、ローカル線によくある典型的な駅ですが、長閑でほんわりとした雰囲気でとても素敵な駅です。駅から百メートルほど行った場所には「桜の名所」として地元で知られる八多喜祇園公園があります。
このほか、
「豊富駅(JR北海道・宗谷本線)・・・北海道天塩郡豊富町」
「大成駅(JR北海道・根室本線)・・・北海道河西郡芽室町」
「黄金町駅(京急本線)・・・神奈川県横浜市南区白金町」
「福渡駅(JR津山線)・・・岡山県岡山市北区建部町福渡」
「大宝駅(関東鉄道常総線)・・・茨城県下妻市大宝」
「宝積寺駅(JR東北本線(宇都宮線)・烏山線)・・・栃木県塩谷郡高根沢町大字宝積寺」
「大金駅(JR烏山線)・・・栃木県那須烏山市大金」
「万富駅(JR西日本・山陽本線)・・・岡山県岡山市東区瀬戸町万富」
「恋山形駅(智頭急行智頭線)・・・鳥取県八頭郡智頭町」
「喜入駅(JR九州・指宿枕崎線)・・・鹿児島県鹿児島市喜入町」
「重富駅(JR九州・日豊本線)・・・鹿児島県姶良市脇元」
など、「黄金」や「金」「福」「富」「宝」「恋」「喜」「成」などの字がつく縁起の良い駅名、幸せな駅名がまだまだ沢山あります。是非一度足を運んでみて下さいね。