甲府鳥もつ煮

甲府鳥もつ煮

甲斐の国発B級グルメ

つやつやと飴色に照り輝く小片。ひとたびそれを口に中に放り込んでみれば、こってりとした甘みと動物性タンパク質ならではの旨み、馥郁たる香りが混ざり合いながら舌に絡み付いてくる。決して清楚でおしとやかな味ではない。しっかりとした自己主張がありながら、どこかほろっとした色気もある、どちらかといえば情熱的で官能的な味わいだ。その小片の正体は?そう、それは鳥のモツ。

とはいえモツ特有の臭みはない。むしろ、濃い目の味付けがモツならではの旨みを際立たせ、ねっとりとした食感と共に深い味わいとなっているのだ。弾力性のある塊を箸でつまんで口の中へ。それは、その見た目のようにきらきらとゴージャスに輝きながら、口の中で濃い目に踊る。酒飲みなら容易に想像が付く事だろう、ビールがこの上なく合うのである。

甲府鳥もつ煮とは

鳥もつ煮は、通常捨てられていた鳥のモツを食材としてどうにか利用できないかと考えた甲府市内のソバ屋の主人によって1950年頃に生み出されたといわれている。それは次第に評判となり、市内のソバ屋を中心に居酒屋等の飲食店に広がっていった。今やほうとうなどと並ぶ甲州名物として、地域に根付き、地元の人々や訪れた観光客に愛されている。

甲府鳥もつ煮の特徴

汁気があり長時間煮込まれて作られる一般的なもつ煮と違い、少な目のタレで短時間に強火でさっと照り煮されて作られるのが甲府の鳥もつ煮の特徴だ。タレが少なく、強火で調理されるので、焦げてしまったり生煮えだったりしないようにするために、火の通り具合を見極める目と絶妙なタイミングを要求される、まさに美味しいダシを取る技を持ったソバ屋の主人に考案された品ならではだ。そうして調理されたモツ煮、甘辛いタレがモツの臭みを消しながらも、旨みをぎゅっと閉じ込めている。しかも短時間で調理されるために、歯ごたえがしっかりと残っており、ハツやレバーの絶妙な柔らかさや、砂肝のこりこり感といった鳥モツならではの食感が楽しめるのだ。さらに普段はあまりお目にかかることのないキンカン(未成熟の卵)が、その見た目のインパクトと食感で、この甲府鳥もつ煮に睛を点じている。

濃い目の味付けなので、ビールのみならず、ご飯にもとても合う甲府鳥もつ煮。甲府に出かけた際には、呑み助はビール片手に、お酒を嗜まれない方はご飯と共に、この甲府の隠れた名物を召し上がっていただきたい。市内には鳥モツ煮を食べられるお店が沢山あり、各店工夫を凝らしているので、食べ歩いて自分の口に合うもつ煮を探してみるのもオススメだ。

甲府鳥もつ煮

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甲府鳥もつ煮を食べられるお店

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