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知床

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知床・羅臼岳 日本の世界遺産

知床半島

大空を一羽の鳥が翔けている。風に乗ってヒューイと舞う。上昇し、狙いを定めて急降下する。森がしばしざわめき、そしてまた静かになる。

その瞬間は、きっと音もなくやってくる。まばたきをしている間に、身体は宙に浮いていく。鏡面の様になめらかで、青く透明な湖面にきらきらと日光は輝き、5月の木漏れ日の様に優しく静謐な時がはらはらと降ってくる。風は呼吸を忘れていた。身体は透けていた。美しさの向こう側には、そう簡単にはたどり着けそうにない。

北海道東部、オホーツクに面した知床半島。半島中央部を千島火山帯が貫き、急峻な山が落ち込む海岸線は海に荒々しく削られている。自然豊かな北海道の地においても特に自然の豊かな地域だ。流氷と共にやってくるプランクトンが栄養源となり、魚介類は大きく育つ。豊かな海で育った鮭やマスは川を溯上し、それを狙ってヒグマやキタキツネ、オジロワシが集まり、それらの獣や鳥の排泄物や屍骸が土へと還って森の栄養となり、そうして育まれた木々の間を通り行く清流がまた海へと注ぐ。豊かで広大な海と森の大いなる食物連鎖。海は山と共に有り、山はまた海と共にある。

知床は、そんな海と山に跨って繰り広げられるスケールの大きな生態系が評価されて、2005年7月17日に世界遺産に登録された。半島の先端部には道路も通っておらず、人が容易に立ち入れない場所も少なくない。またヒグマやエゾシカ、キタキツネ、エゾクロテン、エゾリス 、オオワシ、オジロワシ、シマフクロウ、トド、シャチ、クジラ、アザラシ等、陸海空の様々な動物たちが生息する地でもある。都市部はおろかそれ以外の地域でも中々見ることの出来ない、溢れんばかりの豊かな大自然の魅力が満載の場所だ。

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知床

  

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知床の基本データ

知床

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母なる大地の果て

知床半島は面積約56,100 ha、長さ約70キロ、幅約40キロ(最大幅部)のオホーツク海に突き出た半島。その名「しれとこ」はアイヌ語で、「母なる大地の果て」を意味する「シレトック」から来ているといわれる。北半球の中では最も低緯度で流氷を観察することの出来る場所。トド、クジラ類などの海洋生物の他、シマフクロウやシレトコスミレなどの絶滅危惧、固有の動植物が生育する地域でもある。

知床
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知床五湖

知床

知床五湖は、知床の原生林に囲まれた幻想的で美しい湖。鏡面のような湖面に羅臼岳を始めとした知床連山や原生林が映る様はまるで映画のワンシーンのよう。ヒグマが頻繁に出没する地域でもあるので注意。

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知床の山々

知床半島の最高峰にして日本百名山の一つでもある「羅臼岳(1660m)」を始めとして、斜里岳、知床硫黄山、海別岳、知床岳など、知床には山好きを魅了する山々が聳える。ただし、半島の先に行くほどに整備された道もなくなり、腰まである熊笹やハイマツの中を進まなければならないなど、体力、気力及び山経験の豊富な者しか中々辿りつけない秘境の地となる。

羅臼岳

知床

知床峠から望む羅臼岳

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冬の羅臼岳

冬の羅臼岳

冬の羅臼岳

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知床の温泉

羅臼岳を主峰とする火山群に貫かれる知床半島は温泉の宝庫。無料で入れる露天風呂や野天風呂もある。

Japan Web Magazine 編集部

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