梅雨の津和野の町並み
公開日: 2015年6月17日 | 最終更新日 2022年10月14日
かつて津和野藩亀井氏の城下町であった津和野は、島根県西部の山あいの盆地にある人口約7700人の小さな町。文豪・森鴎外の出身地としても知られ、「小京都」とも呼ばれる古き良き美しい町並みが今も残っている所だ。
服や靴が濡れる、視界が悪い等、どこかに出かけた時の雨はあまり嬉しくはないものだが、こと古い町並みや神社の境内といった風景に限っては、雨も中々捨てがたかったりもする。
津和野を訪れた日も、朝からしとしと雨が降り続いていたが、その雨がかえって町の雰囲気を美しいものにしていた。
しっとりと濡れた石畳の道。重厚な石州瓦。漆喰の白さと、柱や壁の渋墨のコントラスト。目に飛び込んでくるすべてが際立って見える。向こうの山や建物の間に垣間見える緑も、一層生き生きとして見える。
「雨だから、用事がなければ家に居る」という発想を少し変え、たまには雨の日に「雨の日の美しさ」を探しに出かけてみるのも悪くない。