富岳風穴

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富士山の噴火の痕跡を今に示す富岳風穴は、鬱蒼と緑の生い茂る青木ケ原樹海にある、総延長201m、高さは天井が最も高い所で8.7mにおよぶ溶岩洞穴。国の天然記念物にも指定されているこの風穴は、すぐ近くにある鳴沢氷穴と並ぶ富士山周辺の人気訪問スポットだ。冬場でも比較的気軽に訪れることができるのも魅力で、荒々しくも迫力ある地球の内部をプチ体感できる。そんな富岳風穴に行ってみよう。

富岳風穴は、「富士パノラマライン」とも呼ばれる国道139号線から少し入った場所にある。中央自動車道河口湖ICからなら、約20分。東名高速御殿場ICからなら、東富士五湖有料道路経由で約45分ほど。公共交通機関を利用する場合は、河口湖駅から路線バスを利用すると約30分ほどで到着する。(風穴または氷穴バス停下車)。

駐車場やバス停からは、徒歩で風穴の入り口へ。樹海の木々の中の道(「東海自然歩道」の樹海コース)を歩いてアクセスする。

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富岳風穴は、富士山周辺に数多くある風穴の一つ。これらの風穴は、富士山が噴火した際に流れ出た溶岩が冷えて固まる際に出来上がったといわれもので、流出した溶岩の外側がさめて収縮する際、内部はまだ高熱の流動体であるために溶岩に含まれるガス体が圧力差によって表面の弱い所を押し破って外に吹き出し、空洞ができる。これが冷えて固まったのが風穴だ。

風穴の壁の玄武岩質が音を吸収する性質をもっているため、内部は不思議と音が反響しないのも特徴。また、風穴内の平均気温は約3度で、夏でもひんやりとしており、風穴の奥部ではかつて冷蔵施設のなかった時代に、蚕の卵や種などを貯蔵していたとか。

溶岩棚や樹型溶岩、蛇岩、溶岩池、氷柱、氷筍などと共に、蚕の卵や種を貯蔵していたこの「天然冷蔵庫」も、当時の雰囲気もそのままに見ることができる。

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富岳風穴入り口と、「東海自然歩道」。この「東海自然歩道」の樹海コースは風穴の先へも通じており、鳴沢氷穴まで歩いていくことができる。(徒歩約20分。)

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階段を下りて風穴の入り口へ。
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冬は滑りやすいので、足元に注意。
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風穴の入り口が、まさに「口」をあけているように見える。地球の内部に吸い込まれていくような感じだ。

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風穴の入り口から少し入ったところで後ろを振り返る。ぽっかりと穴が開いたそこは地上と地下の境目。わずか数メートルで世界は一変する。

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