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恵山

日本の山

函館から国道278号線を東に車で40分ほど走ると、やがて海を挟んだ向こう側の岬に、太平洋に突き出すようにして雄々しく聳える山が見えてくる。よく晴れた日に見ると、手前の青い海と岩むき出しの荒々しい山肌のコントラストが特に印象的なその山が標高618メートルの「恵山」だ。

恵山(えさん)の名は「火を吹き、溶岩が流れ落ちる」を意味するアイヌ語「イエサン」から来ているといわれ、今もその名の由来のイメージを髣髴とさせるような、もくもくと噴煙を吐き出す活火山。登山口から2時間ほどで頂上まで行く事が出来るので山としては気軽に登れる山だが、活火山ゆえの、頂上付近から中腹にかけてそこかしこに点在する硫黄色の鮮やかな岩肌と、吸い込むと命にも関わる有毒な硫黄ガスを吹き上げる噴気孔、そして、かつて溶岩が流れ下り、現在もなお荒涼とした風景の広がる通称「賽の河原」と、その荒々しくも雄大な景観は見ものだ。また、緯度が高いので本州の2000メートル超級の山に匹敵する植生を見る事が出来るのも魅力。新日本百名山の一つにも選ばれている。

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