Look beyond the cliche, reach for the real Japan

犬吠埼の夜の風景

日本の夜景

海の方を見ると、夜空に小舟のような半月が浮かんでいた。風に流れる雲の間にぽっかりと浮かんで、周囲の雲と夜の海を柔らかく照らしている。

そんな月を左に見ながら、光の方向目指して歩いていく。暗くて所々足元が良く見えない。水溜りを辛くもよける。転ばないように倒木をさけ、石をまたぎ注意深く進んでいくとやがて斜面にさしかかった。

一歩一歩注意深く上り始める。道はくねりながら続いている。どこかで季節はずれの虫が鳴いている。下草が足に絡む。

ふと、風が止んだ。何とはなしに、それまで地面を注視していた視線をずらし、頭を上にあげた。