三月 神奈川
枝を張るだけの力が無いので垂れてしまう「か弱い」木だと言われる枝垂桜。その「か弱さ」は春、たおやかで優しい美しさとなって人々の目を愉しませる。しなやかさイコール弱さではないと。
三月 北海道
北海道網走北部。三月初旬、アザラシの群生地でもある能取岬沿岸はまだ流氷に覆われていた。プランクトン豊富なこの海域には魚が沢山すみ、その魚達を求めてアザラシやオジロワシなどがやってくる。南の風で流氷が沖合いに消える頃、流氷の代わりに春が訪れる。寒々しい流氷もやがて来る春の気配を予感させるのだ。ここでは春は海からやってくる。
三月 石川
能登空港が出来るまで、このあたりは国内で東京から最も時間がかかる場所のひとつだった。そのお陰かどうか、美しい自然環境の中、人々の笑顔は温かい。山がちな地に段々畑が広がる。
三月 岐阜
冬の間、数メートルともいわれる深い雪に閉ざされる日本屈指の豪雪地帯白川郷も、三月になると気温の高い日が続き、雪が解け始める。少しずつ、春がやってくる。
三月 奈良
三月下旬の奈良東大寺は満開の桜に彩られていた。人々の幸せと国の安泰を祈願するために建立された東大寺盧舎那仏像(大仏)の鎮座する大仏殿の中にも桜色の風が吹き込む。
四月 福島
房総半島では二月に満開になる菜の花も、ここ福島では四月に入ってやっと満開になる。鮮やかな黄色の菜の花とその向こうに立つ一本桜のコントラストで周囲は春色に輝く。
四月 東京
門を入ると、そこには夢のような桜色のトンネルが広がっていた。その美しさは、淡い色の雲となって、青空へとゆっくりのぼっていく。もしもどこかに極楽があるのならば、こんな景色がどこまでも続いているのかもしれない。
四月 千葉
人のまばらな昼下がりの八幡様。向こうでは数人の職人達が、やぐらを組んで何かの準備に追われている。ふと境内の銀杏に目をやると、小さくて可愛らしい葉が光を浴びて輝いていた。
四月 長野
石畳の続く旧中山道馬籠宿付近。心地よい四月の風を感じながら、歩いているとにょっきり筍が目に付いた。生命力の塊のような存在感が頼もしい。
四月 京都
末法思想のはびこった平安時代後期、極楽往生を願い、この世に極楽浄土を具現化するものとして建立されたという宇治平等院鳳凰堂。「末法の世」からさらに千年近く経った現在、世界的な経済混乱がおき、今までの資本主義経済システムが末期的状況に陥っている様相を呈している中、藤の花はただ静かに美しく咲いていた。