安藤家煉瓦造蔵座敷

安藤家煉瓦造蔵座敷

しだれ桜と武家屋敷の町として知られる秋田県仙北市角館町にある「安藤家煉瓦造蔵座敷」は、明治時代に建てられたレンガ造の蔵座敷。武家屋敷の立ち並ぶ内町から車で4~5分走ると、黒い板張りの立派な塀と、現在、1853年(嘉永6年)創業の安藤醸造本店として使われているレンガ造りの重厚な建物が見えてくる。

一帯は、かつて角館の商人が集まる外町「商人町」であったところで木造の家屋が密集しており、明治に至るまで度々大火に見舞われたという。安藤家も1882年(明治15年)に発生した外町大火により焼失し、2年後の1884年(明治17年)に味噌蔵や土蔵などが再建され、さらに7年後の1891年(明治24年)にレンガ造りの蔵座敷が完成した。当時は、今のようにブライダルスペースや葬儀場などの冠婚葬祭用の建物などなく、すべて家の座敷で執り行っていた時代、大切な座敷を火事から守るために、外壁を火に強いレンガ造りにしたのだという。

建築資材としての煉瓦は当時まだまだ珍しいもので、この蔵座敷は、東北地方に現存するレンガ造りの蔵座敷としては最古のもの。ちなみに煉瓦造りの建物として広く知られる東京駅が完成したのは1914年(大正3年)のことだ。秋田県内の建物としては、北秋田市の阿仁異人館(1879年(明治12年)築)に次ぐ古いレンガ造りの建物となっている。

角館町指定文化財にもなっている建物は、西宮礼和筆のふすま絵を施した内部を無料で公開している。かつて収納庫として使用されていた黒漆喰の文庫蔵は休憩スペースになっているので、武家屋敷見学の後に、建物の見学がてら足を運んでみてはいかがだろう。無添加で製造される味噌、醤油、漬物の試食も行っている。

関連リンク:安藤醸造

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