坂折棚田の風景

坂折棚田

JR岐阜駅から車で約1時間半、恵那市中野方町の里山に広がる坂折棚田は、「日本の棚田百選」にも選ばれている棚田。今から約400年前の江戸時代頃から築きはじめられたという棚田は、標高410メートルから標高610メートルのエリアに広がっており、土砂崩れなどを防ぐために石積みで固められた一枚一枚の田んぼの縁と、その田んぼの中で風にそよぐ稲のコントラストが、目にも鮮やかで美しい。

重機などもない時代、人の手によって気の遠くなるような時間をかけて作り上げられてきた棚田は、明治の頃にはほぼ現在の様な形になったという。見事な石積みは、専門の石工によって積まれたものとか。

人の手が介在している人工のものであるはずなのに、周囲の山々などの自然の風景に溶け込んでいるのは、棚田を作り上げた人々の心が「自然」に寄り添っていたからなのだろう。「自然」をどうにかするのではなく、「自然」と共に生きる。人々の知恵と技術と労働の結晶。一朝一夕には決して作られることのない、「時間」と「努力」の積み重ねこそが醸し出すことの出来る、厚みのある、温かくて優しい風景だ。

撮影場所

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