月と夜桜

月と夜桜

東京・九段の靖国神社で行われる「奉納夜桜能」は、関東大震災や戦火に晒されながらも、120年余りにわたりその姿をとどめる東京最古といわれる能楽堂で開催される催し。

毎年、そうそうたる能楽師、狂言師が一堂に会し、夜空の下で、その素晴らしい所作と声・音色を披露する。この「奉納夜桜能」、その名の通り、(その年の天候にもよるが)、タイミングが良ければ満開の夜桜も楽しむことができるのだ。

時折吹きすぎる風にはらはらと舞い落ちる桜の花びら。能楽師や狂言師の声色。鼓の音。笛の音。それらが美しく入り混じり、ゆっくりと空に上っていく。儚さとあでやかさ、艶やかさと清らかさが世界を包み込む。それはまさに幽玄の世界。現世と幽世のはざまは斯くやあらん。

撮影場所

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