六義園の夜桜

六義園の夜桜

夜の闇の中で、光り輝くように咲き誇るしだれ桜。それはさながら、桜色の「花の精」達の舞い踊り。可憐で軽やかで艶やかな情念の迸りが暗い夜空に立ち上っていく。命の情動と儚さの隙間に一陣の風が吹く。永遠が一瞬の中に流れ込み、刹那は永劫へと続く。想いははらはらと、憂いはゆらゆらと。

JR・東京メトロ南北線「駒込駅」から徒歩で約7分、都立庭園「六義園」は、江戸幕府第五代将軍・徳川綱吉の家臣・柳沢吉保が、下屋敷として造営した庭園。江戸時代に作庭された庭園として、今にその美しさを伝える代表的な大名庭園で、国の特別名勝にも指定されている。その名は、土佐日記で知られる平安時代前期の歌人「紀貫之」が『古今和歌集』の序文に記した「六義」(むくさ)という和歌の六つの基調を表す語に由来する。

地形を活かし、木々や石、池などを巧みに配した庭園は、究極の美が随所にちりばめられた「一つの世界観」がここに完結しているかのような素晴らしいもので、「日本の名庭園」の一つとしてその名を轟かせる。1702年(元禄15年)に、庭園と下屋敷が完成した後には、記録されているだけでも58回も綱吉が訪れた、ということからも、この庭園がいかに完成度の高い素晴らしい庭園であるかをうかがい知ることが出来よう。

庭園入り口付近にあるしだれ桜の例年の見頃は3月の末頃。桜の開花に合わせ、3月下旬から4月の上旬にかけて「しだれ桜と大名庭園のライトアップ」として、しだれ桜のライトアップが実施され、開園時間が21時まで延長される(最終入園は20時30分)。開花状況やライトアップのスケジュール等、詳しくは東京都公園協会のホームページで。→東京都公園協会HP(外部リンク)

撮影場所

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