雪ニモ負ケズ

雪の中の信号機

長万部からのんびりと走り続け、大沼公園のそばに着いたころには、すっかり雪も激しくなっていた。

時折、吹雪のように横に雪は飛びながら、しんしんと降り続ける。そんな中、ふと目に飛び込んできたのは交差点に立つ信号機。

信号が縦に長いのは、雪が少しでも積もりにくいように、それぞれの色の部分にカバーがかかっているのは、日差しの強い時でも色が見えやすいように、という配慮だろう。でも、こんな天候の日は、それが裏目に出てしまっている。カバーの上に積もった雪が信号の電球の熱で解けて、ゆっくり流れ落ちながらまた凍ったのだろう。幾本もの「つらら」が垂れ下がっているのだ。

「寒そうで、かわいそう」

もちろん、頭の中では信号に「意識」がないのはわかっていても、思わず心配になってしまう。

雪の中でも文句も言わず、ひたすらそこに立っている。
こごえる寒さをものともせずに、健気に一人で頑張っている。
赤青黄色を繰り返し。朝から晩まで繰り返し。
人の役に立ちながら、それをひけらかすこともなく。
けっして驕らず。昂らず。誰かを攻めることもなく。
吹雪の中でもひるまずに。ため息一つももらさずに。
鼻水のようなつららを垂らして、今日も明日も明後日も。

撮影場所

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