冬の片品渓谷

吹割渓谷

長野県上田市から栃木県日光市まで、約320kmの距離を通る「日本ロマンチック街道」は、150以上の観光コースが点在するドイツのロマンチック街道に倣って名付けられた道。観光コースの数では本家に及ばないが、上信越高原国立公園、軽井沢、日光国立公園と関東甲信越でも有数の観光地を通るルートだ。そんな日本ロマンチック街道が通る群馬県沼田市利根町にあるのが片品渓谷。別名、吹割渓谷とも呼ばれる渓谷だ。

利根川水系の一級河川・片品川の流れによって溶結凝灰岩が侵食されてできた渓谷で、獅子岩や屏風岩などと名付けられた岩壁、河床にできた甌穴など、自然の造形美と力強さを感じぜずにはいられない景観が広がっている。新緑や紅葉の頃は特に美しいことで知られ、多くの人々がその風景を堪能しに訪れる。

そんな渓谷も、雪に閉ざされた冬の午後には、ひっそりと静かな時間が流れていた。水墨画の絵のようにモノトーンの冷たい世界。それでも、なぜかどこかに春の息吹を感じるのは、雪をかぶった木の枝先に萌芽を見つけたからだろうか。

撮影場所

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