足元にもアートがある日本

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日本のマンホール

普段はあまり意識して見ることのないマンホール。そのふたには、その土地の名産や名物などの絵が描かれているのをご存知でしょうか。特に、駅前や有名観光スポットの近くには、カラフルに色づけされたマンホールがあって目を見張ります。日本を訪れる海外の人々にとっても、それは珍しくて興味を引くものであるらしく、ブログやSNSなどで話題になっているのを見かることも少なくありません。中には「日本のマンホールは世界で一番美しい!」なんて大絶賛する人も。花や鳥、建物に舟、お魚にお猿さんに城、そして富士山とくれば、それも頷ける話です。

単なる「マンホールのふた」をアートにまで高めてしまう日本人の細やかさ。無機質で特に絵柄がなくとも困らないものに、あえて「花を咲かせる」ところに、日本人の豊かな精神性があるのかもしれません。

足元にもアートがある日本。今度の旅行や出張先で、ちょっと歩みを止めて、改めてマンホールのふたを見てみるのはいかがでしょう。俄然、その土地の名物・名産や歴史に興味がわいてくるかもしれません。もちろん、その際は車や自転車の往来には気を付けてくださいね。

というわけで、JWMのスタッフが日本の各地で撮影したマンホールの写真をお届けします。(全155枚)

各地のマンホール

006山梨県富士河口湖町

富士山の麓の町、山梨県富士河口湖町のマンホール。富士山と河口湖、河口湖大橋と「ラベンダー」、そして町の花である「月見草」が描かれています。

014三重県桑名市

三重県桑名市の名物は蛤。江戸の昔から名物として知られており、「その手は桑名の焼き蛤」なんて言い回しもあるほど。その蛤がかわいらしいデザインで描かれています。

098鹿児島県出水市

日置流(へきりゅう)は薩摩日置流とも呼ばれる、鹿児島県出水市に伝わる甲冑を着て弓を引く実戦的な弓術の射法。その「腰矢組弓」を図柄にしたマンホールです。

115兵庫県豊岡市出石

但馬の小京都とも呼ばれる豊岡市出石は旧出石藩の城下町。町のシンボル時計台(辰鼓楼)が描かれています。現在も古い町並みが残っており「豊岡市出石伝統的建造物群保存地区」として国の指定保存地域になっています。

025埼玉県川越市

こちらも同じく「伝統的建造物群保存地区」に指定されている川越。小江戸の名で親しまれ、年間630万人もの観光客が訪れる川越の代表的景観「蔵造りの町並み」と「時の鐘」がモチーフです。

122愛媛県宇和島市

現存12天守の一つ宇和島城のある町、宇和島は闘牛の町としても知られています。市営の闘牛場では年に5回ほど闘牛大会が開催されます。

146茨城県潮来市

霞ヶ浦、北浦、そして外浪逆浦に囲まれ、水郷の町として知られる潮来の市の花「あやめ」が描かれたマンホール。潮来には「あやめ」という地名もあるのです。

154奈良県奈良市

奈良公園や春日大社、興福寺などに沢山いる鹿がモチーフ。周囲の花は八重桜。「いにしえの奈良の都の八重桜けふここのへに匂いぬるかな」で知られる八重桜を図案化したものだそう。

159北海道函館市

函館のシンボルであり国指定重要文化財のハリストス正教会と、カモメの描かれたデザイン。

163北海道函館市

函館の名産品として知られるイカをかわいらしくデザインしたマンホール。イカは、市の魚にも指定されています。

003島根県松江市

城下町・松江塩見縄手の武家屋敷の町並みを図案化したマンホール。松江城の北側堀沿いには江戸時代の武家屋敷が現存しており、中を見学することもできます。

008静岡県三島市

三島市の市の花「三島桜」をデザインしたふた。三島桜は「オオシマザクラ」と「エドヒガン」の交配によってつくられた桜です。

009山形県酒田市

酒田市の有名観光スポットであり、おしんの撮影のロケ地にもなった「山居倉庫(さんきょそうこ)」は米穀の倉庫です。最上川舟運の拠点でもあった場所で米俵を沢山積んだ「ひらた舟」が描かれています。

010山形県酒田市

松尾芭蕉が「奥の細道」の途中で訪れた酒田の町の一角、山居倉庫から歩いて15分ほどの場所にある日和山公園は、桜の名所として知られる所。毎年4月中旬には酒田日和山桜まつりが開催され、ソメイヨシノなど約400本の桜が咲き誇ります。園内には、日本最古級の木造六角灯台や方角石、千石船などもあり、昔を今に伝えています。芭蕉の銅像も園内にあります。

045埼玉県さいたま市

人口120万人以上を抱える大都市・さいたま市のマンホールは自然豊かな絵柄です。中央に市の紋章、上部に市の木「ケヤキ」、左下に市の花「サクラソウ」、右下に市の花木「サクラ」をあしらったデザイン。

026神奈川県鎌倉市

古都・鎌倉のマンホール。鎌倉駅と市の花「リンドウ」そして、市の木「ヤマザクラ」が描かれています。

106兵庫県篠山市

黒豆や栗、小豆、そして牡丹鍋が有名な篠山市は、篠山藩の城下町として栄えてきた町。マンホールには旧篠山町の町の木「松」と町の花「ささゆり」、そして篠山城と堀の水が描かれています。

046三重県伊勢市

今は新幹線と特急を乗り継いで、あっという間に行くことの出来る伊勢神宮。かつては江戸から片道15日間、大阪からでも5日間かかりました。一般庶民にはおいそれと行かれる場所ではありませんでしたが、「お伊勢講」という、皆でお金を出し合って順番にお参りする仕組みができると、沢山の人々が参詣できるようになりました。1830年には年間427万6500人もの人が参詣したという記録が残っています。そんな伊勢のマンホールには「お蔭参り」と呼ばれた当時の参詣の様子が描かれています。

047佐賀県嬉野市塩田

嬉野温泉の隣にある嬉野市塩田町は、かつて長崎街道の宿場町として栄えた場所。旧塩田川沿いには、有明海の干満の差を利用した川港「塩田津」があって、各地から物資が集まり、また運ばれていきました。周辺には廻船問屋や商家が立ち並んでおり、多くの人や物資が行きかう交通の要衝として賑わっていました。通りには今も白壁の家々が立ち並び、国の「重要伝統的建造物群保存地区」にも選定されています。マンホールには、肥前小富士とも呼ばれる唐泉山と塩田川、そして旧町の花である桜が描かれています。

035大阪府岸和田市

大阪の南にある岸和田市は、岸和田藩の城下町として発展してきた町。勇壮な祭りとして知られるだんじり祭りが有名です。その岸和田市のマンホールは市の花「ばら」をモチーフに岸和田城を配したデザインです。

058福岡県久留米市

北九州市に次ぐ福岡第三の都市・久留米市のマンホールには、久留米ツツジと耳納連山、そして吉野川・利根川と共に「日本三大暴れ川」の一つに数えられる筑後川が描かれています。

マンホールの豆知識

知っているようで知らないマンホールの豆知識をいくつかご紹介しましょう。

マンホールの秘密その1

Q.マンホールって何で出来ているの?重さは?

A.大きなトラックや車が上に乗ることもあるマンホールは頑丈にできています。材料は鉄。それを型に流しいれて作る鋳鉄製です。重さはものにもよりますが、通常50kg以上。簡単に外れたり持ち去られたりしないように、重く作っているともいわれます。

マンホールの秘密その2

Q.なんでマンホールのふたは丸いものが多いの?

A.ふたが穴の中に落ちないようにするためといわれます。四角いと対角線が長いので落ちてしまう可能性が高まりますが、その点、円形ならば落ちないという訳です。

マンホールの秘密その3

Q.なんでマンホールの表面は基本凹凸があるの?

A.それは雨の日などに車や自転車がスリップするのをなるべく防ぐためです。マンホール雨水などでぬれると滑りやすくなるので、極力凹凸をつけて作る事により、スリップを防ぐ目的があります。絵が描かれているものも、凹凸がはっきりしているものがほとんどなのはそのためです。それでも、雨の日などはマンホールは滑りやすいので、車や自転車の運転は勿論、歩行の際にも十分気を付けてくださいね。

マンホールの秘密その4

Q.マンホールに小さな穴が開いているのはなぜ?

A.それは大雨が降った時などに、マンホールのふたが飛んでしまうのをなるべく抑える為です。大雨が降り、大量の雨水が下水に流れ込むと、下水管内の圧力が高まり、マンホールのふたが飛んでしまうことがあります。ニュース映像などで見たことがある人も多いでしょう。小さな穴をあけることによって、そこから空気を逃がし、過剰に圧力が高まるのを防いでいるのです。

001岡山県笠岡市

002岡山県津山市

005鳥取県倉吉市

165山梨県富士河口湖町

007山形県上山市

011群馬県高崎市

012京都府南丹市美山町

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