栃木のご当地ドリンク「レモン牛乳」

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栃木のソウルドリンク

「栃木県」と聞いて思い浮かべるものはなんだろうか。世界遺産の「日光東照宮」。中禅寺湖に華厳の滝。いろは坂に足利学校、足尾銅山。あしかがフラワーパークに日光江戸村。鬼怒川や那須の温泉。かんぴょう、いちご、佐野ラーメン。そして宇都宮の餃子。一度は訪れたい観光地や温泉、そして一度は食べてみたいグルメが並ぶ。

そして、もう一つ、栃木といえば忘れてはならないのが「レモン牛乳」だ。

栃木県出身者がもしあなたの周りにいたら、「レモン牛乳」って知ってる?と尋ねてみてほしい。ほぼ100%知っていることだろう。もし、その人が「レモン牛乳」を知らなかったなら、その人はどこからかタイムマシンでやってきた人か、もしくは「グンマー」のスパイに違いない。

レモン牛乳とは

「レモン牛乳」。「レモン」と「牛乳」というその組み合わせの「サウンド」を聞いただけで、なんとなく美味しいチーズケーキのような、なにやら初恋の味のような甘酸っぱさも漂ってくる。昨今では、栃木を代表する人気お笑い芸人の「U字工事」が、番組やブログなどでことあるごとに取り上げていることもあって栃木県外でもその知名度を確実に増している「レモン牛乳」だが、栃木県出身または在住でない人で、まだまだその存在を知らない人も多いだろう。

「レモン牛乳」とは一体なんだろうか。

「レモン牛乳」は正式名称を「関東栃木レモン」という。戦後間もない頃に、宇都宮市の老舗製乳メーカー「関東牛乳」が開発した飲料で、当初は「関東レモン牛乳」の名で販売されていた。今のように物が潤沢になく、甘いものがまだまだ貴重であった時代に、特に子供にとっては憧れにも似た飲み物で、特別な日に給食などに出される贅沢品でもあったという。はじめは一部の地域で販売、消費されていたレモン牛乳も、その甘さと美味しさが評判を呼び、いつしか県内全域へと広がっていった。「レモン牛乳」の味は、栃木県内の子供たちの間にじんわりと、しかし確実に浸透していった。

人間は、子供の頃に好きになったもの、特に味覚に染みついた記憶は忘れないもの。いつしか大人になった「元」子供たちは、「レモン牛乳」の味を懐かしみ、現役の子供たちは新たにレモン牛乳の魅力にはまっていく。こうして、レモン牛乳は栃木県民のソウルドリンク、「栃木の味」となったのである。

その浸透ぶりは、例えば、栃木県内のスーパーや道の駅、SA、PA、土産物店、コンビニなんかに行ってみるとよくわかる。飲料コーナーにはほぼ確実においてある。もし、置いてないとしたら、それはきっと品切れしているに違いない。スーパーなどでは、山積みにされ、かわいらしくも派手な見た目で通りがかるものの目を引いている。その存在感と浸透度、そして愛され具合はまさに栃木のソウルドリンクの名にふさわしいものだ。

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そんなレモン牛乳も一度は消滅の危機に瀕したことがある。2004年(平成16年)に「関東牛乳」が廃業したのだ。しかし、子供の頃から慣れ親しんだ味が消えてしまうのはさみしい、という声が多く、翌2005年(平成17年)に「栃木乳業」がその製造法を受け継ぎ、「関東栃木レモン」として復活を遂げたのである。

甦ったレモン牛乳は、その消滅の危機のニュースもあり、話題になることが多く、人気が再燃。先述のように、U字工事をはじめとする栃木出身者がTVなどで話題にしたこともあって、その知名度は全国区となり、その存在感を増している。

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さて、肝心要の「レモン牛乳」とは何か、ということだが、簡単に言ってしまうと、レモン牛乳は栃木県産の生乳に砂糖やレモン香料などを加えたレモン色をした乳飲料。試したことがある方ならご存知のように実際にレモンの果汁を牛乳に入れると酸で乳成分が凝固・分離してしまうため、レモン果汁が入っているわけではなく、香料と色素でレモンの色と味わいを表現している。

口に含むと広がるのは爽やかな甘酸っぱさとミルクのまろやかさ。甘すぎず、酸っぱすぎず、レモンキャンディーをミルキーにしたような美味しさだ。これは絶対に子供が好きに違いない、という味。はじめて飲んでも、なぜか懐かしい思いになってしまうような風味なのだ。

姉妹品

姉妹品として、栃木名産の苺「とちおとめ」を使った「関東栃木イチゴ」と、「関東栃木コーヒー」もある。これまた、まろやかな味わいで、舌と心をきゅっとくすぐる味わいだ。

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関東栃木イチゴ

童心に戻るような、心のひだをくすぐられる、さわやかで甘酸っぱい「王道」の味。

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関東栃木コーヒー

子供の頃に大好きだったコーヒー味の飴ちゃんを思い出すような、懐かしくてほっこりする美味しさ。

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