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おいもさん「鳴門っ娘」

鳴門っ娘

和三盆となると金時の幸福な邂逅

なんと可愛らしい見た目だろう。袋を開けて出てきたのは、三本の小さな小さな色も形も本物のサツマイモそっくりのお菓子。先細りの感じといい、どことなく無骨でいながらもすっとした皮の感触といい、薄紫色の色といい、本物のサツマイモと見紛うばかり。精巧に作られたミニチュアのようだ。しかし、この「おいもさん」が素晴らしいのはその見た目だけではない。ほっこり半分にして口に放り込むと、舌の上に広がるのは上品な甘さと香り。そう、姿だけではなく、味も上物のなると金時そのものなのである。

その味の秘密は袋の裏面を見るとすぐわかる。さつま芋、和三盆糖、紫芋粉末。僅かこれだけだ。余計なものが一切入っていない。シンプルの極み。実に清々しい。原材料を見て思わず唸ってしまう。本物はシンプルな素材と高い技術で作られる、まさにその証明のようなお菓子だ。

鳳月坊と「鳴門っ娘」

徳島県鳴門市にある鳳月坊は阿波和三盆糖の製造元。和三盆糖は今ではテレビ等の影響で広く知られるようになったが、かつては幻とも言われた、一流の料亭や高級菓子店御用達の砂糖だ。上白糖などの砂糖黍とは違う「竹糖」と呼ばれる砂糖黍を用い、丹念に「研ぎ」と呼ばれる灰汁取り、蜜抜き作業を何度も繰り返し、ようやく出来上がる上品な甘みを持った最高級品。白下糖と呼ばれる源糖を盆の上にのせ、熟練の職人の手で何度も研ぎを繰り返し、それを三日通してようやく出来上がったことから「和三盆」という名がついたとか。こうして研がれた和三盆糖は乾燥を経て、全国へと出荷される。その和三盆糖を使って作られているのが「おいもさん」の愛称で親しまれている「鳴門っ娘」なのである。上品な甘さと奥の深い味わいの理由がここにある。

鳴門っ娘

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鳳月坊

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Japan Web Magazine 編集部

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