松尾八幡平駅

松尾八幡平駅

花輪線の駅

盛岡に着いた時にはしんしんと降っていた雪も、いつのまにか止んでいた。時刻は22時半を少し回った頃。都会ではひと度降れば大騒ぎとなる雪も、さすがは北国、まったくの日常のごとく、道路はスムースに流れていた。とはいえ目的地までの道のりはまだまだ長い。今夜はこのまま夜っぴて走ることになる、といったん覚悟を決めてしまえば、少しは心も楽になるというもの。無理に急ぐのはやめて、のんびりと走っていた。

そんな時、ふと前方に小さな看板を見つけた。「松尾八幡平駅」と書いてある。何かがなんとなく気になって、そちらの方へ向かうことにした。といっても駅は道からすぐの場所だった。こじんまりとしたとても小さな駅。

松尾八幡平駅

車を止めて外に出ると、そこにはシュガーコーティングされたお菓子の世界のような光景が広がっていた。駐輪場や小さな駅舎や物置らしき建物がひっそりと佇んでいる。動くものは何もない。ただ街灯だけがあたりを明るく照らしていた。

松尾八幡平駅

とてもとても静かな夜だ。時間が流れていく音さえ聞こえそうな程に。朝早くから一日中動き続け、ぼちぼち真夜中も近い時間になるというのに不思議と眠くなかった。寂しくもなく、怖くもなかった。そこには穏やかな優しさのようなものが流れていた。静けさが、寝息を立てて横になっていた。

松尾八幡平駅

1926年(大正15年)11月10日に開業した松尾八幡平駅は、JR東日本「花輪線」の駅。開業当時は岩手松尾駅という名前だったが、その後松尾八幡平駅に変わっている。1999年(平成11年)12月4日以後無人化され、現在は大更駅長の管理下となっている。

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松尾八幡平駅

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