富士山のある風景

富士山のある風景

富士山と蓮華草

特にこれといった理由はないのだが、子供の頃からなぜか好きだった花の一つにレンゲ(蓮華草)がある。赤紫の可愛らしい花をつけたレンゲが野原一面に咲き乱れている風景。それだけで、なんだかとっても幸福な気分になってしまう。気分はミツバチだ。

物の本によると、レンゲは土を作るという。窒素の固定力が大きく、良質な天然の肥料となる。化学肥料が盛んに使われるようになる以前は、水を抜いたあとの田んぼに種を撒き、翌年に花が咲いた後、そのまま土に鋤きこんで肥料としたのだそうだ。根を張る力が強く雑草の防止にもなる。牛の餌にもなるし、蜂蜜も採れる。見た目の美しさだけではなく、実に役に立つ植物でもあるのだ。

勿論、当の本人はそんな事は意に介さずに、風にゆらゆら揺れている。日の光をたっぷり浴びて、美しい花を咲かせ、つられてやって来たミツバチと戯れている。むこうには富士山。あとは、手元にレンゲの蜂蜜を塗ったパンがあったなら、もう何も言うことはない。(静岡県富士宮市)

Memo

レンゲ

レンゲは、ゲンゲ(紫雲英)と呼ばれるマメ科ゲンゲ属に分類される越年草。地域により、レンゲソウ(蓮華草)、レンゲと呼ぶ。岐阜県の県花。ゆでた若芽はおひたしやお味噌汁の実、油いため等で食用になるほか、解熱剤や利尿剤として民間療法でも使われてきた。

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