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大浦天主堂

大浦天主堂

温かき微笑み

大浦天主堂には有名な信者発見の逸話がある。

1865年(慶応元年)3月17日のこと。出来たばかりの洋風のお寺「フランス寺」を一目見ようと訪れていた大勢の訪問客にまぎれて、長崎は浦上の女性3人がやってきた。そして会堂で祈りをささげていたプティジャン神父の元に近づき、自分達が信徒であることを告げ、マリア像の場所を聞いたという。「我ラノ旨、貴方ノ旨ト同ジ」と。厳しい禁教令をしかれ激しい弾圧を受けた日本のキリシタン達。それでも密かに信仰を守り続けている者たちがいるのではないかと一縷の望みを抱いていた神父は大変喜び、彼女達をマリア像のもとに案内した。その後長崎各地から同じように隠れキリシタン達が名乗りをあげる。神父の報告はやがてローマ教皇ピウス9世の耳に入ることとなり、いたく感激した教皇はこれを「東洋の奇蹟」とよんで祝福したといわれる。キリスト教禁教令が出されてからおよそ250年後のことである。想像を絶する迫害を受け、長きに渡り潜伏せざるを得なかった信徒達がようやく日の目を見た瞬間であった。信仰を失わず、これだけの長期にわたる潜伏期間、耐え忍び教えを守り通してきたと言う事実は稀有の事であり、この「信徒発見」のニュースは世界の人々から驚きと賞賛をもって受け止められたという。

大浦天主堂

日本最古の教会建築である大浦天主堂は正式名称を「日本二十六聖殉教者天主堂」という。その名の通り、1597年、日本で最初に殉教した日本二十六聖人に捧げられた教会堂である。1864年(元治元年)、フランス人司祭ベルナール・プティジャンとルイ・テオドル・フューレ神父両名が基本設計をし、日本人棟梁小山秀之進が建設。総工費は実に3万フランを要したという。教会堂は二十六聖人の殉教地である西坂の方角に向けて建てられた。神父が女性信徒達を案内したマリア像は「信徒発見のマリア像」として会堂内の祭壇脇に立っている。教会入り口に立つマリア像は、「信徒発見」のニュースを受け、記念にフランスより送られてきたものだ。

大浦天主堂は「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を構成する文化財の1つとして2018年(平成30年)6月30日に世界遺産に登録された。

教会をたずねる際のマナー注意点

教会は信者の方達の祈りの場です。見学は自由に行える場所が多いですがマナーを守り、静かに訪問しましょう。

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大浦天主堂

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長崎の教会群とキリスト教関連遺産

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