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長崎の食べ物

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「長崎の郷土料理・長崎ご当地グルメ」

日本とヨーロッパと中国の交歓

1549年に種子島にポルトガル人が漂着して以来、西洋の品々と宗教を携えてやってきた数々の外国人は、日本に技術的、社会的、宗教的に多大な影響を及ぼしたが、食文化においてもそれは顕著であった。それまで日本に無かった野菜や果物等の食材、食べる習慣のあまりなかった牛肉や豚肉、乳製品類、その他の加工品など新しいものが次々に入ってきたのである。16世紀中頃より、明治に至るまでに、他所にさきがけて長崎に最初に入ってきたと言われているものに、トマト、かぼちゃ、たまねぎ、すいか、人参、白菜、とうもろこし、じゃがいも、甘藷(サツマイモ)、インゲン豆、いちじく、びわなどがある。ビールやパン、ワイン、そしてコーヒーもそうだ。これらの品々はまず長崎に入り、それから各地を行き来する商人や役人などの手によって少しずつ広まり、各地の食習慣や食文化と混ざり合い、その土地土地に根付いていったのだ。

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そのようなわけで、「新進食材」や「新しい料理」の窓口であった長崎の食文化は他所よりも早く変化が起こり、またその変化の度合いも富んだものとなった。新進食材と元々その地にあったものとの融合やアレンジで、長崎ならではの食文化、長崎の料理、調理法として発展したのである。

長崎の食べ物

卓袱料理

長崎の人々が日常的に食すものとは少し異なるが、例えば代表的な長崎名物料理として有名な「卓袱料理」などはいい例だろう。和に洋と中がうまい具合に混ざり合っている。まさに、異文化が流入する「玄関口」でこそ生み出された料理といえるだろう。また、現在は専門化、細分化され、より各国のオリジナルの味に近いものが味わえるようになった、いわゆる「西洋料理」も長崎出島に来ていたオランダ人から伝えられ広まったものと言われている。中国由来の餃子や、(少し時代は新しいが)ちゃんぽんや皿うどんなども、みな長崎が発祥の地だ。

ハムやカステラ、カラスミなども伝来の物。特にカステラやからすみは今では長崎の名物としてその名が知られている。砂糖そのものも長崎を窓口として日本に広まったと言われ、かわいらしい金平糖(こんぺいとう)も最初に伝わったのは長崎だという。その他、基本となる調理法などが海外からまず長崎に伝わり、独自の改良などが加えられ、今や日本料理の一つとなっているものに、天ぷらやすき焼き、がんもどきなどがある。

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長崎の郷土料理・長崎の郷土食の味付け

全般的に長崎の食事の味付けは他所に比べて甘めだと言われている。特に年配になればなるほどこの傾向は顕著だとか。これは前述の通り、長崎出島を経由して砂糖が日本に入ってきたために長崎では比較的安価に手に入ったことや、とはいえ始めはそれなりに高価であった砂糖を、料理に入れることによって、訪れる客人に対し「もてなしの心」を表したことなどに由来すると言われる。

長崎の菓子
長崎の菓子
長崎の菓子

日本最初の本格的な西洋料理店

ところで、日本で初めての本格的な西洋料理の店と言われているのが、出島で修行を積んだ草野丈吉が長崎は伊良林に開いたお店だ。1863年のことである。当時のメニューは、牛のスープ、パスティ(パイ)、フルカデル(肉饅頭)、牛のロース煮、ハム、ビフテキ、ゴウレン(魚の油揚)、豚、鶏料理、サラダ、パン、コーヒーなどであったという。

長崎の食べ物

パスティ

1587年豊臣秀吉が出したバテレン追放令そして徳川家三代将軍家光がとった完全な鎖国政策により事実上日本は門戸を閉ざしたが、唯一幕府公認の貿易窓口として海外に開かれていた地、長崎。「布教をしないこと」を幕府に約束したとされるオランダ人と中国人のみが交易を許され、その後、ペリーが来航するまでの200年有余に渡り長崎は唯一の外国との接点としてその歴史を重ねた。そして出島に出入りしていた人々を通し、オランダや中国の食文化が少しずつ広まっていった。先にあげたように、今では我々が普通に口にする食材たちも長崎を窓口として日本中に広まっていった。

「長崎」—- 日本が鎖国をした後も唯一外国と繋がっていた場所。西洋や中国の食文化が日本に入り、それまでにあった日本のそれと混ざり発展し、今日長崎の人々はもとより日本中の人々が日々口にする料理となった。まさに現代日本の食文化の源こそ長崎の地である、といっても過言ではないのではないだろうか。

長崎の昆布
長崎の菓子
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Japan Web Magazine 編集部

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